一番最初に出会った神話
夜の星を見上げるのに熱心だった幼少期、母が一冊の本を買ってきてくれました。藤井 旭先生の本で、季節の星座の解説の間に、子供にも分かりやすく神話がまとめられていました。チロという犬のキャラクターがチャーミングでとても大切にしていた本の一つでした。
残念ながら引っ越しが多かったため紛失してしまったようです。この本が私に神話の面白さを教えてくれました。
アンドロメダとペルセウス、それとメデューサのお話が一番印象に残っています。石にされるというのは子供にとってはそれは恐ろしいものでした。
天体への興味は、若田光一宇宙飛行士へのあこがれから始まっていたのだと思います。また、同年の百武彗星を見て自分の名前がつくなんてなんてすごいことなんだと、尊敬しました。
天体望遠鏡をお年玉で買い、しし座流星群だといえば町の外れの暗いところまで見に行き、ふたご座流星群と言えば寝袋を持って畑のあぜ道に転がりました。北斗七星のとってから2番目の星の横に見える小さな星を天体望遠鏡でとらえた時の高揚感、今から考えれば随分とマニアックな小学生でした。
しかし、しばらくすると私の夜空への熱は冷めることになります。それは宇宙飛行士になるためのハードルが高すぎることを知ったからです。中学生になるころにはすっかりそんなことを忘れていました。
2002年、私はびっくりしました。
「星になったチロ」という本を知ることになったからです。急いで買いに行きました。そんなばかな、何かの間違えではないかと。
私は知らなかったのです。私が生まれてくるより先にチロが既になくなっていたことも、とうの昔に書籍化されていたことも。
あまりにも泣きながら本を読むものだから、内容もほとんど覚えていません。ただかなしかった、それだけでした。
すっかり大人になった今でもチロのことを思い出すと涙が止まりません。
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