「アジャイル」投稿の雑感
さまざまなところで「アジャイル」のワードを目にするようになって久しい。ただその場合の「アジャイル」にはネガティブな思いが込められていることもある。
コミュニティではあまり感じないのだが、それ以外の場所、特にネットでの言及を見ていると、もっとfundamentalな部分を強く言及した方がよさそうだなと感じることがある。
プロダクトを作るという話題において、一般的には、
1. 商品企画
2. 量産
3. 販売
というフェーズを踏むことが多い。
アジャイルのコミュニティでは、「我々、ソフトウェアエンジニアは、商品企画をやっているのだ」という意見を聞くことがある。それまでの開発プロセスでは、商品企画と量産をカバーしている意識であることが多かった。
2020年に放送されたドラマ「この恋あたためますか」では、コンビニのスイーツを企画するチームが舞台だった。その中で、何度もスイーツの試作品を考え、時には社内で偉い人を交えた試食会を開催しながら、店頭に並ぶ(つまり大量生産される)スイーツを決めていく。
建築にも実際に建てる前に設計図を作ったりするフェーズがあるし、車でも工場で量産する前に商品企画がある。
アジャイルの中でのプロダクト開発は、まさにこれを想像してもらった方がわかりやすい。この部分を共通理解にしないと、まず話が噛み合わないように感じる。
もちろん、商品企画と量産では、必要なスキルセットも異なるし、アジャイルはチームでの開発を前提にしているので、"作業の進め方"と同時にチームパフォーマンスの最大化という観点を扱う(もちろんそこには人間関係の話も含まれる)。
揃えるべきものを揃えないと、議論は前に進まないんじゃないかなと感じている。
余談:
コンビニスイーツの商品開発は、コンビニという箱の中で、スイーツというアドオンを開発することが目的になる。当然ながら収益性のあるスイーツを作るということが目的になる。
ソフトウェア開発の場合は、目的のもの以外に箱を作る必要があることが多い。例えば、ログイン・ログアウトのような機能だ。作りたいものに作る必要があるか(収益性があるか)を確かめるのに、箱を作っていると時間がかかりすぎる。