プロダクトづくりに向き合った #RSGT2025


あけおめ。今年も、RSGT2025 にボランティアスタッフとして参加しました。「あの人が楽しいから自分も嬉しい」というのがスタッフの醍醐味ですが、今年は例年になく、セッションの内容を聞いている時間があったような気がします。

ここ2、3年でなんとなく「そうかも?」と思っていたことが、やっぱりそうだったのかーと思ったのが今年でした。それは、「プロダクトを作るには、熱狂が必要だ」ってこと。"熱狂"とか、"生き生き"とか、そういう言葉遣いは、ちょっと気持ち悪いなと思う方たちもいるかもしれません。自分もかつてはそうでした。でもそういう言葉を使わなければ説明できないことがあると感じています。

本間さんのクロージングキーノート。Scrumに大きな影響を与える論文 "The New New Product Development Game" に影響を与えた開発現場を知る人の言葉には重みがありました。
作れば売れる時代だった「戦後」から、プロダクトの競争になってた1981年に生まれたHONDA CITY、その開発エピソードを聞いていると、確かにそこには"熱狂"がありました。
このクルマを完成させて、こういう景色の中で走らせるんだ、というビジョンが鮮明だったみたいなんですよね。
経営からのシンプルなリクエストを元に、内発的動機から作り上げたクルマが大ヒットするというのは成功ストーリーとしてはあまりに綺麗すぎるわけですが、実際そういうものなのだろうと思ったります。

そう考えると、Scrumが提唱される前のプロダクト作りは、成功例の再現性を高めようとしすぎて、理論的な説明を試み続けたことで、内発的動機を失ってしまったのではないかと想像したくもなります。ビジネス理由で作らされるプロダクトが成功しづらいことは説明できるんじゃないかと思っています。

POにどうしても作りたいものがあり、それを叶えられるエンジニアがいれば、そのチームからのアウトプットはやがてアウトカムになる。その成功率を上げるために、Build-Measure-Learnというメソッドがあり、それを毎週繰り返していく。

現場はそんなにシンプルでないと思いますし、だからこそ、僕らは"進め方"をずっと試行し、現場から経験を得て、議論してきているのだと思います。

海外ではScrumは新しいものだったのかもしれないけれども、日本では"かつて捨ててしまった体験"を取り戻すみたいなものになっているのは面白いなと思います。当時生まれてなかった世代からは、取り戻してるという実感は全くないのですが。


今年は、プロダクトづくりについてじっくり考える機会になったなと思います。来年はもしかしたら別のことについて向き合う機会になるかもしれません。来年はRSGTとしては新しい会場にもなり、スタッフとしても未知のことが多く待っていると思います。もうすでに楽しみです。

いいなと思ったら応援しよう!