エンジニアのサポート部隊
ソフトウェアエンジニア(以下エンジニア)というのは、インターネットカルチャーの影響をもろに受けていて、一般的な社会の常識とは少し離れたところがあるんですよね。ネットミームがどうとかっていう話をしたいわけではないのですが、使ってる単語が少し違うとか、前提となってる知識が少し違うとか、面白がる箇所がちょっと違うとかそういう感じ。そして、当然ながら、会社の中の論理では、そういうエンジニアの世界観が「当たり前」でないことがたくさん起きる。
例えば、エンジニアは、オープンソース、つまり同じ技術を共有しながら発展して行っているわけですが、勉強会と称して情報共有をする会が開催されることが多い。セールスとかで同じことをやると営業秘密の共有にあたるので、会社の壁を越えて交流すること自体が避けられている。そういう勉強会をやる習慣がない人たちには、他社と交流すること自体びっくりされるし、そういう社会の方が「当たり前」なので、エンジニア以外の人に勉強会そのものをきちんと理解してもらうのには時間がかかるわけです。
もちろんそれは、会社の会議室を管理・運営してる部門も同じで、彼らが理解できる言葉で会話する必要があるのですが、勉強会を開催することが本業ではないエンジニアがそこに時間を使うのは本位ではない、またお互いに話しても相互理解が生まれず、残念体験を産む可能性もある。ほとんどの会社が賃貸オフィスに入居していると思うのですが、勉強会の開催に関連して、場合によっては賃貸契約が関係してくることもある。そこで、それらをある程度理解できて、本業にできる人が代理でそれをやるということになります。これが、エンジニアのサポート部隊が必要だよねという話になってくる。
実はアジャイルの話でも同じようなことがある。アジャイルの根本には、エンジニアのカルチャーがある。エンジニアの周囲も含めてこのカルチャーを理解しているかどうかというのは、その会社がアジャイルな環境を続けられるかどうかに影響しているのではないかと思う。
例えば、プロダクトマネジメントの推進・普及は、日本においては、エンジニアに関わる業務のエンジニアカルチャー化なのではと勝手に捉えている。
話を戻す。同じような話は、イベント協賛でもある。イベントの協賛には契約だったり、経費精算だったり、物品購入だったりが必ず発生する。場合によっては、ブランディングを気をつける必要があったり、協賛のための「政治とカネ」が必要だったりもする。そのような業務をエンジニアが、コードを書いているのと並行でやるのは、なかなか厳しいと思う(実際にやってるエンジニアには拍手を送りたい)。そのような状況なので、サポート部隊が間に入ることが多い。
一方で、協賛するようなイベントの主催チームはエンジニアで構成されていることが多い。主催者とのコミュニケーションはエンジニアがやった方が、後に繋がりやすくなる(し、長いスパンで見た時に会社への貢献も強くなると思ってる)。
エンジニアと、エンジニアの活動をサポートする部隊は、協働して動けるように、伴走している状態になっているのが理想的だなと思う。情報を(社内に)オープンにしながら、透明性を確保しながら、お互いの尊敬のもとで活動を続けられるのがよいのかなと思っています。
最後に、この記事はエンジニアの話をしましたが、職種によって集団を作ることを推奨しているわけではない。集団ができると、集団の周りに壁ができて、乗り越える必要が発生しちゃったりするので、本当によろしくない。
「パックマンスタイル」を意識して、過ごしたいなと思います。