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本屋散歩「生活と芸術のまちで」@神楽坂
2025.1.18(土)
今日は本屋めざし仲間の伊藤さんと神楽坂で交流会をしたので、その後にぶらっと神楽坂の本屋散歩をしてきました。
3つの書店さんを中心に、喫茶店でひと休みとちょこっと町歩きも。写真枚数38枚、4,594文字でお届けします!
※店内撮影は許可をいただきました
[1] かもめブックス
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11時の開店直後に訪問。軒先は3席のオープンカフェになっていて、店内の入口付近はカフェスペース、奥が書店になっています。神楽坂で校閲会社「鷗来堂」を運営されている柳下恭平さんが、2014年11月にオープン。ということは去年10周年だったんですね!
この記事のインタビューが面白かったです☟
面積は41坪だそうなので135m²ぐらい。100m²を超えると都内の独立書店としてはかなり広く感じられました。料理、絵本、小説、哲学、文庫、雑誌、コミックと暮らしに寄り添うラインナップ。
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店舗オリジナルのグッズや文具類も充実していました。本棚撮影がNGでしたので、どんな本があるかは現地に訪問のうえじっくり見てみて下さい。
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京都の自家焙煎専門店「WEEKENDERS COFFEE」の豆を使っているという珈琲も美味しかったです。軒先と入口のカフェが入りやすいので、本屋に行こうという意識じゃなくても、ふと本が目に留まったり、本に触れる体験ができる……、っていいお店だなぁ。まさに自分のまちにあって欲しい本屋さんでした。
[2] コ本や
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かもめブックスから徒歩10ほどにある〈コ本や honkbooks〉へ向かいます。レトロなビルで、ベランダの手すりのRが効いてて素敵です。
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個室ビデオ店を舞台にアートを試みるマガジンなど、他の本屋さんで見かけたことのないリトルプレスやレアZINEが印象的でした。
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こちらを購入してレジへ。店主さんとお話。お店を始めて9年になるそうで、神楽坂へは2度目の移転。王子から始まり池袋を経て2023年にこの地へ。2010年代のミニコミやZINEもあって、新しいお店なのに本の堆積を感じたので不思議だったのですが、納得です。
こちらの記事でお店の来歴がよくわかりました☟
取次を経由していなそうなリトルプレスが多かったので、どうやって置いているのか訊ねると、店頭への持ち込みや、イベントなどで作家さんに直接声を掛けて仕入れることもあるそう。
「ZINEがつくりたくて……」と相談したら、サンプルがあったら検討しやすいですと笑顔で教えて下さいました。ZINEができたら持っていきたいなぁ!
[3] 喫茶店フォンテーヌ
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おしゃべりと本屋さんに夢中で、ごはんを食べるのを忘れていました。お腹が空いても15時。どうしようか思案しながら神楽坂の駅前まで戻ってくると、見過ごせない雰囲気の喫茶店が。
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経年変化がわかるものが好きです。古本もそうですが、長年の風雪に耐えてきた時間の堆積が現れているものに惹かれます。セピア色に変わったメニュー写真がいいなぁ。
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ランチやってそう!よし、決めました。行ってみます。
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なんで新幹線なんでしょう。神楽坂に通る話でもあったのかなぁ。町には謎がたくさんあって、たまりません。店内はどんな感じなんでしょうか。いやぁ、もう想像するだけで楽しくなってしまいますね。
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おそらくご夫婦で切り盛りされている喫茶店。「おてふきちゃんと出てくるかな~」とテーブルの上にあるウェットティシュの具合を心配してもらえたり、温泉に浸かる猿のポスターが貼ってあったり、久しぶりに帰省した実家感に浸りました。
すべてにおいてちょうどいい匙加減。なごみます。神楽坂はお出かけモードでしゃんとして行かないといけないというイメージの、私にとって敷居の高い街だったのですが、フォンテーヌのおかげで実家と地続きに。
店内の雰囲気がよくわかる記事がありましたのでよろしければ☟
さて、お腹もいっぱいになったことですし、喫茶店をハシゴしてのんびり日記でも書こうかなぁと思っていると……
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昼間はカフェになるブックバーがあるのを思い出して行ってみると、閉店していました。たまたま休日かなと思ったのですが、後から調べたら喫茶時間に間借り営業されていた〈sugeo coffee in 余白〉は、1/13で閉店との情報が。5日前……。間に合わなかったことが悔やまれます。
BARタイムにはまだ時間があったので、他のお店を探してうろうろ。近くに〈トンボロ〉という喫茶店があったので行ってみるも満員。
次は行ってみたい☟
その他にも2軒ほど近くのカフェに行ってみたのですが、お店の外まで行列ができていたので、喫茶タイムはまた後でということで本屋さんへ向かいます。
[4] アルスクモノイ
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神楽坂を歩いていて感じるのは「坂が多いなぁ」ということです。神楽「坂」ですもんね。googleマップを見ながら歩いていくと「瓢箪坂」「御殿坂」「相生坂」「芥坂」などが密集しているエリアに来ました。
ここは「駒坂」という小さな階段状の坂です。手摺がまたいいじゃないですか。街角ヴィンテージです。
神楽坂のお葬式屋さんのHPに坂紹介がありました☟
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「路上園芸」や「犬フン看板」を鑑賞しながら歩くのに楽しい路地が多いです。神楽坂は散歩の楽しい町だなぁ。路上観察をするメンバーと歩いたら楽しそう。
路地の小さなものたちに目を奪われながら、なかなか進まない散歩です。はい、やっと到着。不思議な名前の古本屋さん、前から気になっていたのです。
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記事を書いている今思い出したのですが、この紙モノの箱の中にマクドナルドのたしか90年代ぐらいのプレイスマット(トレーに敷いてある紙)があって、買おうと思ってて忘れてしまった。
次に行くときはもう無いかもなぁ。探して買うというより、出会った時に買いたいっていう巡り合わせを楽しむ買い物の楽しさがありますよね、古本屋さんにはね。
喫茶店マッチや観光絵葉書などの紙モノが豊富だったので、またdigしに行きたいです。
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癖になる選書なんですよね~。なんていうんでしょうか。奇書というと強すぎるんですが、一癖も二癖もあるラインナップで。ヴィンテージとして価値のあるアートや建築、雑誌なども豊富なんですが、2000円以下の本も1冊1冊が変化球なんですよ。
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映画、建築、写真、幽霊。ん?幽霊?幽霊ってジャンルありましたっけ?(笑)
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『衛生博覧会』に『二笑亭綺譚』……。掘っても掘ってもヘンテコな本が湧き出て来るので、思わず店内を2周しました。
愛すべきヘンテコ本が棚の隙間に隠れているんです。そういえば昔こんな気持ちになったことあるなぁ。どこだっけ。あっ!神保町にあった〈キントト文庫〉だ!キントトさんからエロを抜いた感じというか。
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私が棚の間に挟まって心の中で「うわぁ~」と唸っている間に、常連さんがおふたりほど珈琲を飲んでは「じゃあまた!」と行って颯爽と帰って行かれました。カウンターで珈琲飲めるんですね。
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そう。忘れてましたが、珈琲を飲みたかったんです。常連さんを見ていたら、珈琲を頼んでから、新入荷がないか棚を物色、珈琲を飲みながらカウンターで店主さんとおしゃべりして帰る、というルーティンみたいです。
いいなぁ。私もそんな風に通いたいなぁ。なんていうんでしょう。大人の駄菓子屋さんみたいな感じでしょうか。子供×駄菓子屋だと放課後にもんじゃですが、大人×古本屋は会社帰りに珈琲です。珈琲300円なんですよ。こんなに美味しいのに良心的です。
私も常連さんに習って、珈琲を飲みながら店主さんとお話。
10年古本屋さんで修業をしたのち、2019年にオープンされたそうです。時はコロナ禍。オープンしたばかりで大変だった頃のことや、運営していくなかでお客さんや海外の古書店さんとの心温まる交流などを伺いました。
「私も本屋さんになりたいんです」と相談すると、親身になって教えて下さいました。新刊書店しか経験のない私は、古書の世界の奥深さに思わず眩暈。時代の深さもそうだし、値段の幅も想像以上でした。
貴重な本は「稀覯書」と呼ばれていて、日本でも「国際稀覯本フェア」が開催されているんだそうです☟
文庫本でしか読んだことのなかった吉田ルイ子の『ハーレムの熱い日々』。単行本と写真集と雑誌の特集まで揃っていて、こんなに豊潤な世界が広がっていたのかとびっくり。実際に本を見せてもらいながら、領域横断的な古本の魅力に浸かっていきます。
不思議と集まってくるんですね。セリで出てこないような本をお客さんが売ってくれることがあるそうなんです。買取のお話が面白くて夢中で聴いていました。
集まってくる一方で、一度売ってしまうと、10年ぐらい同じ本に再び巡り会えなかったりもするそう。まるで流れる川のよう。そして掘っても掘っても尽きない泉のような古書の世界。
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部屋の奥には、蚤の市で購入されたというハンガーのハガさんがいらっしゃいます。お店の守り神っぽい感じで、最奥で見守ってるかのような佇まい。
古いものの面白さをそっと教えてくれたり、新たな価値を提示してくれるお店〈アルスクモノイ〉さん。店名は「アルス」がラテン語で「技術・芸術」の意味、「クモノイ」は日本の古語で「蜘蛛の巣」の意味。雲の晴れ間にも見えるお店のロゴのように、本に新しい光が差すような体験をさせていただきました。
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初めて「NutsBookStand」という名前で領収書を切ってもらいました。(この奇妙な本たちはしばらく自分の蔵書にしてしまいそうですが……)もう本屋なんだからと自分に言い聞かせるように活動していますが、本当に自分の本屋が存在するんだと思った瞬間でした。
「また来てください」と外まで見送って下さって、じんわり。すっかり日が暮れた坂道を歩きながら、来た時とは少しだけ違う空間に移動したような気持ちで神楽坂駅に向かいました。おしまい。
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