うたった歌の話を Vol.18
昨夜はひとり会社のフロアに残り、終わらない仕事に追われていた。
時計の針が0時を指そうとするころ、うなだれて家路につく。
気持ちが言葉にならなくて、心のなかに溜まっていく。
きょうは、そんなときに聴きたい、うたいたい歌の話です。
この企画について
2008年から6年ほど、とあるお酒が飲めるお店で、ギター演奏者であるお店のマスターとわたしは、定期的にライブを行っていました。
この企画は、そのライブでわたしがボーカルとしてうたった歌を紹介していくものです。邦楽のポップスのカバーを中心に、ときどき洋楽もあります。土曜日に書いていく予定です。(ときどきサボっていますが)
懐かしい曲に改めて耳を傾けたり。初めての曲を試しに聴いてみたり。
読んでくれた人が、そんなひとときを過ごせますように。
きょうの一曲
あぁ / Superfly
(2011年、作詞:越智志帆、作曲:多保孝一)
曲の紹介
2011年に発売されたアルバム『Mind Travel』の収録曲「Ah」は、歌詞がない歌だ。
ラジオでオンエアされると反響が大きく、その歌詞のあるバージョンとして、「あぁ」はアルバム発売から間もなくシングルとしてリリースされた。
もともと歌詞ありが先に制作され、志帆ちゃんの要望で歌詞なしも制作されて、歌詞なしのほうがアルバムに収録されたのだという。
わたしが最初に聴いたのは「Ah」のほうで、それは衝撃だった。歌詞はなくとも、圧倒的な歌唱で、こんなに心を揺さぶられるのだと。
うたってみて
ライブではお客さんに聴いてもらうことを考え、歌詞のある「あぁ」をうたうことにした。その歌詞に、うたっている自分が慰められた。励まされた。
とくに、この部分。
喜び、幸せならば
誰にでも伝えられるのに
どうして辛いことほど
言葉にはできないのだろう
志帆ちゃんのようにはいかないけれど、大きく息を吸って、想いをのせて、身体全体でうたうイメージ。
でも本当は、歌詞のないほうをうたってみたかった。
やるせない「あぁ」、辛い「あぁ」、泣きそうな「あぁ」、のびやかな「あぁ」、解き放つ「あぁ」。いろんな「あぁ」を、表現できたら。
誰か伴奏していただけたら、うたいたいなぁ。
ぜひ、聴いてみてください。
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お付き合い、ありがとうございました。