![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/121268412/rectangle_large_type_2_d78c53eec54eb37087e9394dd09939f1.jpg?width=1200)
Photo by
hosizorasyuhu
死に至る道の途中から。
今日は新幹線の中から。
先週半ばに、家族からコロナ感染者が出て、そこからドミノ倒しみたいに家族全員が病人になりました。
とはいえ若干のタイムラグがあったおかげで、一番最後のわたしが寝込む頃には、最初に罹った夫が家事をできる程度に回復していたのが、不幸中の幸いというやつです。
家族の全員が感染未経験で、「もうこのまま罹らずにイけるんじゃなかろうか?」と甘いことを考えていたんだけど、それがバレたのかもしれません。
最後に罹ったわたしの症状がいちばんヒドく(と、わたしは思っている)、喉が痛すぎて水を飲むのすら辛い。とうぜん、唾液も飲み込めなくて、寝ていても無意識に唾液を飲むことを拒否してしまい、口に溜まった唾液で溺れそうになって目が覚める、を夜中に何度も繰り返し、小刻みにしか眠れないから、さらに治らないという悪循環でした。
気力が削られると、ちょっとだけ死に近づく気がします。後から考えたら単なる笑い話だけれど、誰でも一度は病中に「このまま死んだら…」と考えた事があるのではないでしょうか。
そんな時でした。
義母が身罷ったという連絡が届いたのは。
という訳で、隔離期間を超えた今日、夫の実家である福岡に向かっています。
夏に会った時、母は自身の半生について語ってくれました。
身体は少し辛そうでしたが、笑顔で、
「これが、わたしの人生ったい。
幸せやったとよ。」
と言いました。
わたしに向かって話しているようで、
隣りでそっぽを向いていた義父に言っているようでもありました。
あの言葉のおかげで
わたしは心穏やかに義母の元へ向かうことができています。
わたしも、死に至る道半ばにいるもののひとりとして、
幸せな人生を歩んできたということを、おりに触れて大切なひとたちに伝えていこうとおもいました。
いいなと思ったら応援しよう!
![すがこ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111912698/profile_2a9160bda316b184909467dc674c906c.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)