ルポ貧困大国アメリカl管理栄養士の読書
2008年に書かれた貧困大国アメリカの姿が、いま日本でも起こりつつある。
◼️ルポ 貧困大国アメリカ/堤未果
◼️3つのエピソード
①なぜ貧困児童に肥満が多いのか
・安い食材がジャンクフードばかり
・食料配給切符(フードスタンプ)で買えるものがジャンクフード
フードスタンプによって購入できる先が決められており、その中でも決められた金額のなかでお腹を満たすにはジャンクフードを選ぶしかない。
また、給食も無料-割引給食制度を利用すると、カフェテラスではハンバーガーやピザ、マカロニ&チーズなどしかない。コーラも無料配布。
この事態に学校は、食にまで予算をかけられないと回答。
②健康は自己責任の落とし穴
貧困層が肥満になって病気が発症しても、医療費が払えず、家計を圧迫してしまう。
その原因として医療費の高騰と、医療費負担をする保険会社の民営化により保険料が高騰で払えない人が増えた。
健康を害する食しか食べられない状況で、健康を害したら自己責任として対応してもらえない。
③先の見えない若者
貧困が進むことにより、学資も賄えない学生が増えている。結果として、学資ローンを肩代わりするサービスなども出るが、そのバックには軍がある。
徴兵に応じることで学資を肩代わり。でも、結局入隊しても給料が安く貧困生活は続く。
◼️日本に起きていること
①日本のこどもの貧困化
家庭の月収入が14万円以下の家庭が
1985年には10.9%だったのに対し、
2019年には13.5%まで増加。
確実に貧困が進み、かつ、貧困家庭における若年層肥満が増えている。(低所得によりエンゲル係数が逼迫し、食費を抑えるために安いものを食べる)
②医療費負担の値上げ
2022年には後期高齢者で所得がある方には1割り負担から2割り負担へ。
高齢になったら医療費が安くなると言う時代は、過去の話になるのも時間の問題。
③先の見えない就職先
2040年問題(第二次ベビーブームが高齢者)では、2人に1人が医療や介護に就職しないと回らない時代になると言われている。
アメリカと日本を比較して、
入隊などは違えど、同じことが数年後に繰り返している。
アメリカで起きたことは、確実に日本でも起こりうる話。