【ポンポン山登山】山頂で管理栄養士が和定食作ってみた&レポート
こんにちは、山岳栄養士の陸です。
今回は「山頂で定食食べたいよね」というわけでポンポン山の山頂で和定食に挑戦しました。さぁ、気になる出来栄えはいかに!?(6月12日)
登山する時の楽しみが『登山メシ』という人もいるのではないでしょうか?
色々なサイトを見て「どれ作ろうかなぁ」「どれも美味しそうだなぁ」と楽しみながらも、ありすぎて迷ってしまいますよね。
それが楽しいんや!って人もいそうですね(笑)
今回、なぜ和定食にしたかというと『栄養』が決め手になりました。
定食で使う食材には登山に必須の栄養素が含まれています。
山頂でしっかり栄養素を補給することで、下山中だけでなく翌日の疲れを軽減できます。
前半は『定食のお話』後半は補給食を交えた登山レポートをお届けします。
この記事を最後まで読むことでポンポン山に登りたくなり、そして『和定食』に挑戦してみたくなること間違いなしです!
1,和定食の作り方
今回作った和定食の献立は
・鮭のバタぽんホイル焼き
・千切り大根のツナ胡麻和え
・カツオ香るしじみそ汁
・白ごはん
感想はめんどくさそうと思ったけど意外と簡単にできて、美味しくて心も体も満たされました。
・鮭のバタぽんホイル焼きの作り方
エリンギと鮭をアルミホイルに包んで持っていきます。
焼く時にバターを入れます。
焼き上がったらポン酢をかけて完成です!
・千切り大根のツナ胡麻和え
山頂に着いたら、切り干し大根をがちょうど浸るくらいの水を入れ、クッカーで戻します。暗いですがコップでわかめを洗っています。
10分ほど浸けたら戻し汁を捨て、スプーンで押さえながら水を切ります。
ツナと黒すりごま、醤油を入れて混ぜ混ぜします。
これで完成でもいいのですが、みそ汁のわかめを入れました。
・カツオ香るしじみそ汁
コップで洗ったわかめの汁を捨てます。
クッカーに水を入れ、たっぷりのかつお節と先程のわかめを入れて沸かします。
本来の日本食では沸騰した時にかつお節を入れサッと煮て捨てますが、それはもったいないですし、栄養素を捨てることになるので無駄なくいただきます。
わかめを取り出し切り干し大根へおすそ分けします。
しじみの具材を入れ10秒ほど混ぜます。
火を止めて味噌を溶かして完成です。
2,和定食には抗酸化物質・ミネラル・たんぱく質がたっぷり
鮭(サーモン)
有名な栄養素といえば『アスタキサンチン』です。
これは強い抗酸化作用があります。
運動をすると体内で活性酸素という細胞や遺伝子を傷つけ『老化』や『ガン』を引き起こす酸素が多く発生してしまいます。
しかし、抗酸化作用のある物質を食べることで活性酸素を除去できます。
鮭が長い旅を経て元いた川に戻ってこれるのはアスタキサンチンのおかげなのです。
マウスの実験ですが、アスタキサンチンと軽い運動を組み合わせると記憶力が上がるということも発見されたので、登山と鮭で記憶力がアップできるかもしれません。
アスタキサンチンの効果を求める時は天然の鮭がオススメです。
さらに、鮭はたんぱく質源なので、筋肉や内臓、血管などの修復や合成に必要なたんぱく質やアミノ酸をしっかり補給できます。
切り干し大根
乾燥されているので、軽くて大根の栄養素もギュッと濃縮されています。
今回注目した栄養素は『カルシウム』です。
今回は20gほど使ったのでカルシウムは100mg含まれています。
これは牛乳100g分に匹敵します。わかめにもカルシウムが含まれています。
カルシウムは骨だけではないのです。
力を出したり踏ん張るときに筋肉は収縮(縮む)します。その時にカルシウムが必要になります。
極端な話をすると、カルシウムが不足した状態で運動をすると骨から不足分のカルシウムを補うので骨が弱くなるかもしれません。
なので、運動の前や運動中にしっかりと補給しましょう。
胡麻
ごまには抗酸化作用のあるビタミンEだけでなく、胡麻にしか含まれない『ゴマリグナン』という抗酸化物質が含まれています。さらに肝臓機能の向上も期待できます。
ツナ缶
今回はたんぱく質源、そして切り干し大根の和え物の味を良くするために入れました。
こちらの動画も参考にどうぞ ^^
かつお節
たんぱく質源になるだけでなく『ビタミンB1』の補給にもなります。
米やパン、麺などの炭水化物の糖質を上手くエネルギー変換するためにはビタミンB1が必須です。
さらに、運動で発生する『乳酸』の代謝にも必要なので、行動中にもしっかりと補給したい栄養素です。
しじみ
オルニチンというアミノ酸が含まれています。肝臓に良い栄養素で一躍有名になりました。
肝臓は体内の代謝の8割ほど担っているとも言われています。
なので、肝臓を健康にすることで次の日の体調をサポートしてくれます。
登山後にビールなどお酒を飲む人いませんか?
お酒を飲むと肝臓がアルコールを分解してくれますが、体も疲れているので
しじみのオルニチンとゴマリグナンで肝臓をサポートしてあげましょう。
3,ポンポン山レポート
コースは大阪府高槻の神峰山口バス停から登り、京都方面の善峯寺へ下りました。
距離は12km総時間5時間20分で、神峰山口バス停から2〜3kmはアスファルトとコンクリートの道が続きます。
参考にしたサイトではスタート地点付近にはトイレの存在が書かれていなくて不安でしたが、神峰山寺に着くとトイレもあるので安心です。
そうこうして登っているとようやく林道といいますか『山の道』が現れました。
ここからが本当のスタートです!
人気な山であってか、道もかなり整備されていていました。
トレランがしたくなりますね。
林道の前半は杉並木が続きます。
『熊に注意!』という張り紙がかなり貼ってあったので『熊鈴』は必ず付けておきましょう。
登っていると思いきや、下りが現れました。
歩きやすいのでまったく苦になりません。
山や木が大好きなので抱きついて充電しています。
こんなところや
あんなところを越えて
そして、山頂に到着しました。
神峰山口バス停から約8km、時間は2時間40でした。
山頂には椅子と机のセットが四箇所ほどと、所々に木のベンチがありました。
ここで和定食を作りまったりタイムを過ごしました。
帰りは杉谷方面へ下りていきます。
途中、杉谷の文字が見当たらない怪しい地図の案内板がありますが、気にせずそのまま下ってください。
そうこうすると川が見えてきました。
するとそこには、、、
可愛い可愛い川の妖精がいました。正直者は出会えるかもしれません。(棒読み)(筆者です)
川を越えると草地が見えいつの間にか山からでていました。
T字路に突き当たるので右へいくとアスファルトのかなりキツい九十九折の坂があるので下ります。
善峯寺への駐車場ゲートが現れますがそれを右に下るとバス停があります。
トイレを済ましてバスに乗り込み今回のポンポン山登山が終了しました。
下りは4kmで1時間20分ほどでしたが、1時間半はみたほうが良いでしょう。
4,補給食
今回は『カレーおにぎり』『おかき』『アーモンド&クランベリー』を持っていきました。
カレー粉の他にかつお節と黒すりごまを入れています。
カレー粉には食べ物の消化を助ける役割があります。
かつお節でビタミンB1を補給します。
おかきとアーモンドの相性が想像を越えた美味しさがありました。
登山の補給食でよく選ばれる『柿ピー』の上位互換のような味です。
次からは、おかきの袋にアーモンドを入れて持っていきます。
水は料理の水を含め2Lで足りました。
5,アクセス
JR高槻駅の北1乗り場で高槻市営バスの『原大橋行』に乗ります。
帰りは善峯寺バス停へ。
観光地なのか、土日は結構乗車してくる人が多いので、早めに下山してバスの席を確保しましょう。
今回は高槻駅8時31分発に乗り、帰りは14時24分発のバスで帰ってきました。
大阪に住んでいる人も、大阪側から登り、京都側から帰ることをオススメします。
来たコースを引き返すと距離もありますし時間もかかります。
なので、距離が半分の京都方面へ下りたほうが結果的に早く帰れます。
まとめ
・和定食は意外と簡単
・切り干し大根と鮭がオススメ
・おにぎりにはかつお節がオススメ
・おかきとアーモンドは最強に合う
・登り2時間40分、休憩1時間20分、下り1時間20分
これからどんどん暑くなるので、熱中症や脱水、虫刺されには注意してくださいね。
それでは、ヘルシーな登山ライフを ^^