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FXにおけるアノマリーの例

「EAを稼働するまでの具体的な流れ」の記事ではアノマリーから仮説を立てるお話をしました。(https://note.com/nutnutfx/n/n005d96c2dbe6
今回は巷でよく知られるアノマリーをいくつか紹介し、それぞれの特徴や活用方法を解説します。前の記事と少し重複する部分もありますが、ご容赦ください。

1. ゴトー日アノマリー

(1) ゴトー日とは?

「ゴトー日」とは、5や10など5の倍数の日(5日、10日、15日など)を指します。この日は、日本企業が輸出や輸入に伴う為替決済を行うため、ドル円に特有の動きが見られることが多いとされています。なお、5の倍数の日が土日祝日の場合はその直前の平日がゴトー日となります。

(2) 特徴的な動き

  • 仲値(9:55頃)に向けてドル円が上昇しやすい。

  • 仲値決定後に調整的な下落が見られる場合がある。

(3) 活用方法

  • 仲値前: ドル円の買いポジションを検討。

  • 仲値後: 上昇が一服したタイミングで売りを検討。

ゴトー日は簡単に特定できるため、特に初心者トレーダーでも意識しやすいアノマリーです。


2. 月末フローアノマリー

(1) 月末フローとは?

月末は、多くの企業や機関投資家がリバランスや決済を行う時期です。このため、特定の通貨ペアにおいて、月末に一時的な流動性の偏りが発生することがあります。

(2) 特徴的な動き

  • ドル円では、月末最終営業日にドル売りが優勢になる傾向がある。

  • ユーロやポンドなどの欧州通貨でも、リバランスの影響が見られることがある。

(3) 活用方法

  • ドル円の売り: 月末フローを見越して、月末最終営業日に売りポジションを検討。

  • 逆張りの注意: リバランスによる動きが一方向に偏りやすいため、流れに逆らわない戦略が有効。


3. 東京市場オープン時の逆張り

(1) 東京市場の特徴

東京市場は、アジア市場の中心であり、流動性が比較的低い時間帯に取引が行われます。このため、オープン直後に短期的な偏りが生じることがあります。

(2) 特徴的な動き

  • 東京市場オープン直後にドル円が一方向に動いた後、逆方向に戻ることが多い。

  • 特に、欧州勢が関与する前の時間帯(9:00〜10:00)にこの傾向が顕著。

(3) 活用方法

  • 逆張り戦略: オープン直後に偏った動きを確認した後、逆方向にポジションを持つ。

  • 小幅な利確目標: 短期的な動きを狙うため、大きな値幅を期待しすぎない。


4. 年末年始のドル高アノマリー

(1) 年末年始の特徴

年末年始は、流動性が低下する中でドルが買われやすい傾向があります。特に、アメリカ企業の決済活動や、リスクオフムードが影響します。

(2) 特徴的な動き

  • 年末にドルが強含む動きが見られる。

  • 1月後半には逆方向の調整が発生することもある。

(3) 活用方法

  • 年末のドル買い: 特にドル円やドルスイスフランでこの傾向が見られる。

  • 調整に注意: 新年初旬のポジション解消による調整に備える。


5. アノマリーを活用する際の注意点

(1) 確率の偏りにすぎない

アノマリーは、確定的な法則ではなく「確率的な傾向」にすぎません。必ずその通りになるわけではないため、リスク管理を徹底する必要があります。

(2) 最新の市場環境を考慮する

市場環境や参加者の行動が変わることで、アノマリーが通用しなくなる場合もあります。定期的な検証とバックテストが重要です。


まとめ

アノマリーは、経験則や市場参加者の行動心理に基づいた興味深い現象です。ゴトー日や月末フローをはじめとしたアノマリーを活用することで、トレード戦略に深みを持たせることができます。ただし、確率的な傾向であることを念頭に置き、適切なリスク管理を心がけることが成功の鍵となります。

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