m&mのチョコレートは私のトラウマだ。
なんてことのない外国のチョコレート。
私のトラウマ。
私の懐かしくて愛おしくて甘くて痛い記憶。
好きだった人に素直になれずにバレンタインに友チョコと言ってチョコレートを渡したことがある。
ラッピングはうまくできたものを。中身は可愛らしくできたものを。
いつもふざけながらそばにいた人のことが好きだった。
だからふざけながら私もそのチョコレートを渡した。
「告白のチョコレートじゃないよ。
これは、友チョコ。余ったからあげるだけ。」
理由をたくさんつけながら心臓を高鳴らせながら。
私はあの人にチョコレートを渡した。あげ逃げみたいなものだったなあ。
まだ学生だったし、そもそも学校にお菓子なんて持っていけない時だったし、何かのタイミングでたまたま大きな体育館に行った時だった。
そういえばあれは初めて男の子に渡したチョコだった。
私の特別を恋人でもないのに奪っていくあの人が好きだった。
奪って欲しかったんだと思う。
何気なく日常が進んでホワイトデーになって。
いつも通りふざけながら毎日を過ごして。
その時にあの人から渡されたのがm&mのチョコレートとハンカチ。
その中身は一緒に渡した子と差異なんてなくてただハンカチの色が違っていた。ピンク色と水色のハンカチ。もう1人の子は黒色のハンカチ。
あの時の私は黒色が好きだったけれど、似合わないパステルカラーも好きだった。だから何故か黒ではなく、ピンクという似合わないカラーのハンカチをくれた時本当に嬉しかった。
中身を見て、わざわざその色のハンカチをくれたあの人がとても好きだった。意味なんてなかったのかもしれないけれど、もしかしたら嫌味だったのかもしれないけれど、私はそれがとても嬉しかったことを覚えている。
10年近く昔の話だけれど、私はその記憶がすごく甘くてすきだ。
同時にあの人のことをどう思っているのか、未練がましく思い出す。
つい最近Twitterでインフルエンサー?(名前は伏せるので言えないですが、インフルエンサー?に近しい方です。)の方がつぶやいていたけれど。
”元彼のトラウマになりたい”が答えに近いのだと思う。
私は彼のトラウマになりたかったし、彼は私のトラウマにしたかった。というか今でもしたいのかもしれない。
過去の恋だし今更何よって感じだけれど、すきだったよりすきだの方が近い相手で。でも今の彼ではなくあの頃の彼に想いを馳せているのでどうも起きない。
もっというなら、私は彼と付き合いたかったわけじゃないんだろうなとm&mのチョコレートを見ると思い出す。
トラウマは想い人にはなれない。
このタイミングでいうのはあれなんだけど。
ホワイトデーのお返しには意味があって、
チョコレートには<君の想いは受け取れない>、
ハンカチには<あなたとは別れたい>ということらしい。
詰まるところ振られてたのか?という答えになるのだけれど、
当時中学生だった私にはそんなことわからなかったなー。
という後書きでした笑