家事本、処方しておきますね。【2】
「私、洗濯できないの」
「スイッチ押すだけじゃない」
「だからスイッチを押したことがないの」
「 」
同居直前のヨドバ○カメラで、旦那が地雷を見つけたような顔をしたのが忘れられません。
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時短家事本には、大きく分けて二種類が存在する(と、私は思っている)。
(1)掃除を時短するもの
と
(2)料理を時短するもの
前者は主に、収納系の資格を持っている人や、インテリアコーディネートを生業とする人が顕す本であり、後者は料理研究家や料理ブロガー、カリスマ主婦と呼ばれる人たちによって書かれている。
どちらも基本的には家事全般を時短するよう心がけられているのだが、やはり著述家として、得意を前面に押し出す方針がとられているものが多い。
掃除系の本はだいたい「どれだけ掃除しやすい部屋を作るか」から始まって、「どれだけ汚れを防止するか」と流れていくのがセオリーだ。
掃除しやすい部屋にもいくつかの型があり、極力ものを減らす「ミニマリスト型」、必要な掃除道具を必要な場所に置く「動線重視型」、そしてかごや箱、家具を駆使して、片付けのストレスを減らす部屋を作ることに重きを置く「収納見直し型」などが存在する。
ちなみに、掃除の方法論に力を入れているのは、たいてい動線重視型なので気を付けていただきたい。
(多分、ミニマリスト部屋と収納部屋は、そもそも汚れない部屋を前提としているのだと思う)
対して料理系の本は、はやりの週末作り置きをメインとする「常備菜型」と、週末にベースだけを作っておき、平日にアレンジを利かせる「下ごしらえ重視型」、「いやいや簡単な料理でいいんですよ」と提案してくる「素材メイン調理型」に分かれている気がする。
どれも「いかに平日に楽をしながら」「家族の栄養バランスを気にしつつ腹を膨らませる」ことに重きが置かれているが、まれにここに「キッチンの動線を整えて、調理の際の動きを短縮する」、やや掃除要素の含まれたハイブリッド型も存在する。
どれもこれも読んだ。
旦那に「また買ったの!」と呆れられるくらい読んだ。
我が家のキッチンの収納一等地は家事本収納棚と化している、それくらい集めた(ちなみにKindleの中にも家事本が存在していることを彼は知らない……)。
そして私は、ごく当たり前の結論にたどり着くこととなる。
いっぺんに全部やるの、無理や。
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あくまで私の経験則なので、参考までにお読みいたただきたいのだが、「掃除系」と「料理系」、まず買うべきは、
「比較的自分が得意だと思う方」
だ。
得意を伸ばすか苦手を克服するか考えるのは、誰もが学生時代に散々やって来たと思うのだが、たいていの先生は「得意を伸ばしつつ」「苦手を最低限のボーダーまで上げる」という指導法をとっていたのではないだろうか。
なぜなら、苦手が一足飛びに得意へと進化することは滅多にないからである。えらい労力を費やして、得意と言える頃には、得意だった科目の内容を忘れている。ループもののアニメもびっくりな学業負のループへの始まりである。
苦手な家事は手をつけるのも億劫で、方法は頭に入っているのに実践できない自分に罪悪感が募っていく。時短のはずなのに、時間がかかってしまうのも、悪感情に拍車をかける。
私の場合は、 料理>掃除 だった。
典型的なマニュアル人間なので、ある程度の知識を授業で教えてもらえる料理と、やり方を教えてもらえない(教室の雑巾がけやほうきでのホコリとりは、家庭に応用できないと思うんだ)掃除なら、圧倒的に料理の方がハードルが低かったのだ。
「結婚祝いにルンバあげようか」
と申し出てくれた伯父に
「ルンバの動くスペースを作る自信がない」
と返した姪である。
瀕死のゴキブリのように行き場をなくしもがくルンバの姿が頭をよぎったのだから仕方がない。ゴキブリになることをわかってうちに来たがるルンバもいなかろう。
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「時短料理で、一日何品かは手作りする」
「週末に常備菜を3品作る」
料理でも掃除でもいいが、誰かに公言できる家事があれば、自分がそこそこ主婦をやれている気分になれる。この、「主婦やれてる」感覚は、長ーい結婚生活において非常に重要なのだ。
「妻失格」「ダメ主婦」と自分を責めたら家事のやる気はデフレスパイラルの一途をたどる。
そんなわけで、私の時短家事本選びの鉄則。
「得意から入る」
次回は私が大変お世話になっている、おすすめ家事本を紹介したい所存。
え?
なに、洗濯はどうすんのかって?
説明書を読むのが一番手っ取り早かったことをあ知らせしておくので、洗濯ボタンを押したことのない系プレ花嫁は、説明書を熟読するべし。
つづく。
サポートをご検討いただきありがとうございます! 主に息子のミルク代になります……笑。