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外国人患者さんとの関わりで注意したい2つのポイント

オーストラリアでは日本の文化は通用しません。例えば、空気を読むこと。
これは逆に注意を受けます。言葉に出さなければ、意見や考えを持たない人と思われてしまいます。海外では、自分の思いや意見を相手にしっかり伝えることが大切です。

オーストラリアの大学3年の筆者は、日本の文化や価値観の違いに翻弄されつつも、外国人患者さんとの関わりを学んでいます。

今回は筆者の看護実習の実体験をもとに、外国人患者さんとの関わりで注意したポイントを2つお伝えします。


1.生活背景や文化の違いを理解すること 

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実習中に気づかされたことは、相手の違いを理解することの大切さです。
言葉にすると、理解した気になってしまいます。しかし、染みついた価値観や文化は無意識のうちに出てしまいます。
私の経験の中で、外国人看護師からの予想外の発言に驚かされたことがありました。私が言ったことを、相手が全く違う捉え方をしたエピソードですが、ご紹介します。

【実習のエピソード】

精神科の実習の時の話です。ある日私が担当する受け持ち患者さんが、私にペンを借りて何か書き物をしている場面がありました。この言動は私の実習期間中では初めての事で、念のため看護記録も確認しこの患者さんにとって日常的になされている行動かどうかを確認しました。すると今までの記録にはその行動が記載されていなかったため、私はその方にとってこの行動には何か意味があるはずと解釈しました。

看護師に報告する際に、バイタルサインなど一通りの報告に追加して、その言動があったことをピックアップし「何か意味があるかもしれない。例えば何か不安なことややりたいことがあるのではないか?」と伝えました。

すると病棟スタッフのフィリピン人看護師から「それはあなたの偏見か差別じゃない?何かいつもと違ったことをしていたからといって必ずしも不安がある、もしくは何か別の目的があってしているとは限らないでしょ?」と言われました。

【実習エピソードからの学び】

自分の中では差別や偏見を持った発言をしたつもりはありませんでした。納得できない事がある時ももちろんありますが、多国籍の人が集まる国では、患者さん同様に医療スタッフもまた多国籍です。考え方もさまざまだからこそ、自分の言動や発言には注意を払う必要性があります。なぜなら自分の価値観や常識が世界共通ではないからです。

経験した事を踏まえ学んだ事は、彼らの生活背景や文化の違いを理解することです。例えば、その患者さんの普段の生活サイクルを知ること。私たち日本人は朝起床したらすぐ歯磨きをして、顔を洗ってから朝ごはんを食べるといった流れがあります。外国人の場合は、朝起きたら先に朝ごはんを食べてから歯磨きと顔洗いのように、順序が違ってもやっていることは結果としては同じです。ですがそのサイクルを知らなければその方の行動が変だと捉える事がありますよね。

2.偏見を持たないこと

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語学スキルはあったら困りませんが、ない場合はないなりに誠意を見せる事が大切です。どのように誠意を見せるのかは皆さんご存じ!基礎看護技術です。

まずは自己紹介をして笑顔で接していき、患者様との信頼関係を築いてからの生活背景や文化の違いを理解に繋げていく事が前提です。ここは日本人だから外国人であるからは関係ありません。偏見を捨ててオープンマインド精神で接してみると、少し視野が広がるかもしれませんよ。


世界中でCOVID-19(新型コロナウイルス)が猛威をふるっている中、日本の医療従事者の皆さんも本当に大変な状況下で日々頑張っていらっしゃるかと思います。

各地で様々な行動制限や国境閉鎖などもあり、気ままにどこかへ旅行に出かけるという機会も減ってきているのではないでしょうか?もしかしたら、この時期に看護留学を計画されていた方もいらっしゃるかも知れませんね。

今住んでいるオーストラリアは先住民族アボリジニーの人々(オーストラリア総人口の約3%)はもちろん、大多数は多国籍の移民で成り立っている国であり、特にシドニーは1番人口が多くオーストラリア最大の都市としても有名です。

法務省によると、令和元年末における在留外国人数は293万3137人。これは前年末に比べ20万2044人増加し過去最高です。(令和2年3月27日出入国在留管理庁報道発表資料による)

この数から推測できる事として、日本でも外国人患者様に出会うことはもう珍しい事ではないという事です。

まとめ

経験した事を踏まえ学んだ事が、彼らの生活背景や文化の違いを理解すること、そして偏見を持たないという事です。語学スキルはあったら困りませんがない場合はないなりに誠意を見せる事が大切です。


~この記事を書いたのは~

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Tomoko 看護大学生ライター。1984年生まれ。富山県出身。
高校卒業後に外国語専門学校を卒業。接客業から一念発起し看護の道へ。
18歳の頃から海外を視野に入れていたため臨床3年で渡豪。ワーキングホリデーを経て現在は、アシスタントナースとして病院や施設などで働きながら大学生活を送る。
将来は国際看護師を目指している。



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