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オセアニアの常識と無機物の隊列とーHYBRID PFONON 2566ー
すっかり日の落ちたビルたちの合間には、無機物のパレードが見えるような、そんな気がして。
先週の大阪が夢のようで、今日も今日とてライブに参戦する実感が湧かない。それでも、【死なない様にしましょうね】と、大切な人からの言葉を携え、とにかく今日を迎えるまでは、絶対に生き延びると決めていた。
どうせ生き延びて、平沢進氏にお目にかかるならばと、新しい服を新調した。漆黒のワンピース。絶対に普段着ないであろう着方で武装し、いざ会場へ。
ひと足さきにハロウィンでもきたのかというくらい、黒もしくは極端にカラフルな集団が東京国際フォーラムにわらわらと。自身もその一人なのであるが、他の人から見たらどんな集団なのだろうか。
さて、3公演目、ありがたいことに全ての公演に参加することを許され、今日は一体どんな演奏を見ることができるのだろうと胸が躍る。
DAY 3 セットリストは以下のとおり。
1.DUSToid よ歩行は快適か?[環弦主産 ver.)
2.おやすみDOG
3.偉大なる頭脳
4. BEACON
5.ロケット
6.TIMELINE の終わり
7時間等曲率漏斗館へようこそ
8.1778-1985
9.Zombi
10.LANDING
11.賢者のプロペラ-1
12.HUMAN-LE
13.暗黒πドゥアイ
14.白く巨大で
15.MONSTER A GO GO
16.Lotus
17.Another Day
〔en〕
18.パレード
「叫ばない」
会場中が肩透かしを食らったような。さすが。もうさすがとしか、言いようがないわけで。公演を重ねるごとに増す、会場の一体感。
そして、このライブで初めて聴く曲も、3公演通して聴くことが叶った曲も、どれも素晴らしい。
東京国際フォーラムでライブを見ること自体初めてだったが、音響が素晴らしい。
体調がやっぱりすぐれないが、頭痛は治るし、Lotusは相変わらず、神々しく。白く巨大で、は荘厳で。ここでしっかり聴くようになった、MONSTER A GO GOは、何とも言えず美しい。毎度ながら、Another Dayは、勇気をもらうことができる。これから戻るべく日常へ、背中を押してくれる様な。
氏はここに辿り着くまで、どのような道のりでここまできたのだろう。
さて、私の活動をまるでパラパラマンガのように追っている存在が、30年に一度目を開けてライブの瞬間を見ていたらどう見えるか。
— Susumu Hirasawa (@hirasawa) September 14, 2023
埼玉県蕨市のライブハウスで3人の客を前に演奏していた男が次に目を開けた時には東京国際フォーラムの舞台に立っている。
私ならこう言う。「ウケる」
その男は観客を増やす努力などしたことがないし、大金を投じたマーケティングなどもしたことがない。
— Susumu Hirasawa (@hirasawa) September 14, 2023
次の30年を経て目を開けたた時、いったいどこに立っているのか。
時に語られる歴史は枚挙にいとまが無いことは確かなのだが、30年の総括はというと、
「ウケる」
だそうで。
わたしの取るに足らない日常なぞ、遥か超えてそこに存在し、それでも背中を押してくれるようで。そのヒト科への讃歌がまだあるうちは、生き延びることが必要なんだろうと今は思えている。このことをまずしっかりと噛み締めて、また一歩どうにか進んでいきたい。