不可解な出来事
今日の朝の出来事。
あまり私は周りの人に腹を立てない方である。
乱暴な運転する人がいても
割り込みする人がいても
「お腹が痛いのかな」
「家族が急に入院でもしたんだろ」
などとなんとか理由をつけて腹をあまり立てないように気をつけている。
ただ、今日の朝起こった出来事には何の理由もつけられず最終的に腹が立ってしまった。あの、年配の女性の行動は一体何だったんだろうか。
今日は土曜日。だが看護師の私にはそんなことは関係ない。朝7:30に家を出て地下鉄に乗った。土曜日だけあって空いている。空いている地下鉄は気持ちが良い。私は降りた時に階段のすぐ近くになる車両の入り口に一番近い座席に座ることが出来た。地下鉄の中ではバナナマンのpodcastを聞く。いや、もはや聴くと言った方が良い。今日は子供の頃好きだった思い出のお菓子の名前が思い出せないといって、日村さんとリスナーが一丸となってそのお菓子の名前を何とか思いだそうとしている回だ。
リスナーから
「小枝じゃないですか?」
「ブラックサンダーじゃないですか?」
なんていうメールが次々と届いては、日村さんが
「そんなレベルの物だったらすぐ思い出せるわ−!」
なんて言って怒っている。
楽しい。何度も聞いているのでそのお菓子があの懐かしい『かりんちょ』だってことは分かっているが楽しい。職場に着くまでの間のささやかな幸せの時間だ。
そんな楽しい時間を過ごしている内に地下鉄が目的の駅に到着した。
それはそうと、私は職場には就業時間の10分以上前には着かないようにしている。これはもうこだわりと言っていい。家にいる時間を大切にしたいと心から願っている。だから、家を出る時間はギリギリとは行かないが余裕なんて別に無い。だから地下鉄駅のエスカレータはいけない事と分かってはいるが歩いて昇りたい。走りたく無いし、止まってぼーっともしたくない。だが、毎日それがうまく行くとも限らない。エスカレータでは歩かないというルールを守る事を信条としている人や妊婦さん、お年寄りの方が自分の前にいる時は諦めるしか無い。ちなみに当駅のエスカレーターは一列のエスカレーターだ。前の人が歩かなければ諦めてバナナマンのpodcastに集中する。エスカレーターで歩くか止まるかを選択するくらいの余裕はさすがにある。
だが、今日の私は違う。階段近くの車両の入り口に最も近い席に座っている。到着直前に空いてる車両を2歩程移動し入り口前に陣取った。これは土日祝日のみ起きる奇跡だ。エスカレーターに一番乗り出来る事は必至だ。
扉が開いた。空いている。私の進路を遮る者はいない。今、エスカレーターに一番乗り出来ると思ったその時、後ろから猛スピードで入ってくる年配の女性の姿が。このまま私がエスカレーターに乗ろうとすればぶつかるな。瞬間的にそう判断した私は一度立ち止まりその女性にエスカレーター一番乗りの切符を譲った。
思い出して欲しい。私は滅多なことでは腹を立てない人間だ。この女性は今日は勤務が早番で遅刻しそうで急いでいるんだな。先週から小さな遅刻を繰り返しもう後が無いのだろう。毎朝高校生の息子のお弁当を作りなかなか目覚めない息子を送り出してから身支度を調える。慌てて地下鉄に飛び乗った彼女はいつも階段近くの車両に乗ることも出来ず、「今日は時間に間に合うだろうか、急げば間に合うな、年齢を考えると走って職場まで行くのは辛いけど、頑張らないと。」などと考えて焦っているのだろう。仕方ない。そう思って彼女を笑顔で応援しようと思ったその時、彼女は驚きの行動に出た。
エスカレーターに乗った途端、立ち止まったのだ!
なぜだ!!!!!
意味が分からない。それなら私が先に乗っても良かったじゃないか!
今も納得が行かない。
でも仕事を終えて家に帰ってきたら一足早いバレンタインのプレゼントが用意されていたので笑顔で今日を終えることが出来る。
よし、バナナマンのpodcast聴いて寝よう。