深部静脈血栓症(DVT)予防について〜新人向け〜

深部静脈血栓症とは

・Deep Vein Thrombosis:DVT
・深筋膜より深部の静脈に血栓が生じる病態をいい下大静脈や骨盤腔内静脈、下肢の静脈に発生しやすいことから、基本的に下肢にできる血栓を示す。

・深部静脈血栓症を予防することによって 肺動脈塞栓症(エコノミークラス症候群)も予防する事ができる。

静脈血栓の3大誘発因子

• 血流の停滞
• 血管壁の障害
• 血液凝固能の亢進

主な症状と検査・治療について
主な症状
• 下肢の腫脹
• 鈍痛
• 浮腫
• 表在静脈拡張
• ホーマンズ徴候 など


検査・治療
• 臨床診断
• D-dimer(採血)
• 静脈エコー
• 静脈造影
• 造影CT     など

実際の予防策について

• 早期離床・ 積極的な運動
• 弾性ストッキング
• 薬物療法
• 間欠的空気圧迫法
• 飲水摂取

予防策:間欠的空気圧迫装置(SCD)について

効果
• 静脈血の還流促進
• 線溶活性を亢進させる


合併症
• 総腓骨神経麻痺
• コンパートメント症候群
• 不快感、皮膚症状


使用方法の注意点
• 緩く、きつく巻きすぎない
• 指2本が入る程度に巻く
• マジックテープがきちんと留まっている
• チューブのねじれがなく、足の下に入り込んでいない
• 腓骨骨頭に圧は加わっていない
• 器械の作動が正常に行われている


予防策:弾性ストッキングについて

効果
• 下肢へのうっ滞を減少
• 静脈内皮損傷を防止


合併症
• 動脈血行障害
• 静脈還流障害
• 浮腫、皮膚炎

使用方法の注意点
• しわが無く、折り返されていない
• 潰瘍が無い
• しびれ、疼痛が無い
• 皮膚、爪色に異常がない
• インスペクションホール(つま先に空いている検査穴)から足趾が出ていない

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DVT予防対策フロー(大まかな流れ)


医師が患者へDVTの予防について説明する(同意書が必要!)

医師がリスク判定を行う(カルテ入力)

病棟では、リスク判定に応じた下肢の観察や弾性ストッキングの着用を行う

手術室では、リスク判定に応じた下肢の観察や弾性ストッキングの着用、間欠的空気圧迫装置を装着する

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