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看護師が書く 日本の医療危機 ③少子高齢化 ~病院・訪看・介護経営と消費税のリスク~

さて、前回まで、
少子高齢化で働き手が減るのに、医療が必要な高齢者が増え、
お金がかかるから増税しなきゃいけない
その増税をするなら消費税が妥当とされている
という話をしてきました。
実はこの消費税、
病院や訪問看護ステーション、介護施設には大変なリスクなのです。

まず、消費税についてのおさらいです。
例えば消費税が2021年7月現在10%ですが、
これが仮に15%に増税されると、
(今)  100円×10%=110円 10円は消費税
(増税後)100円×15%=115円 15円が消費税になる

これは大丈夫ですよね。

で、あとはこれを誰が?どうやって?「納税」してるの?
ですが、以下の図を御覧ください。

画像1参照元財務相HP
:https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei0110/05.htm

最初にデニムスカートを作った人=「製造業者」
5,000円の品に「500円の消費税をつけて」売ります。
その500円は「製造業者」が税務署に納税します。
別に損をしてませんよね?

次に、
「卸売業者」=製造業者からトラックで店舗まで流通する業者など
「小売業者」=ユニクロなど、実際に売っている店舗
これらの業者はその「差額」を負担するだけです。

画像2少し具体的に言うと
卸売業者は
もともと卸売業者は5,000円で仕入れたモノを7,000円で売って
2,000円利益が出したかっただけです。
それを5,500円(税込)で仕入れたモノを7,700円(税込)で売った
としても、利益は2,000円で、納税する消費税は200円。
別に損はしてないですよね?

小売業者もこれは同じ仕組みです。

で、最終的にこのデニムスカートを買った人=消費者が
10,000円の税込11,000円で買う=1,000円の消費税を支払っている
という訳ですが、その1,000円の消費税は
うち500円を製造業者が
うち200円を卸売業者が
うち300円を小売業者が

税務署に支払っているというのがこの図の意味です。

そして大切なのは、
税金を払っているのはデニムスカートを買った消費者で、
これ、製造業者も、卸売業者も、小売業者も、
損はしてないのはわかりますよね?

でも病院や、訪問看護ステーション、介護福祉施設において、
患者様や利用者様から消費税ってもらってないですよね?
でも食事やオムツを仕入れるのに、消費税、払ってますよね?

この消費税が病院などにとってリスクである原因はここにあります。
次回はココを掘り下げます。

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