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看護師が書く 日本の医療危機 ⑥病床が減ったら、増える高齢者はどこに?第3話

前回まで
平均寿命-健康寿命=「不健康寿命」とすると
寝たきりや認知症など介護を要する状態の期間、と言え、
そうした介護を要する期間が平均で10年間はある

画像1参照元:内閣府
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/zenbun/s1_2_3.html
という話から、
「寝たきりや認知症など介護を要する状態の期間」
「介護」が必要という状態と
「手術や入院など、治療を要する状態」
「医療」が必要という状態
というのは違う
という話をしてきました。

その「介護」と「医療」の違いを以下のデータから見て頂こうと思います。
これは介護が必要になった主な原因ランキングです。

画像2

参照元:日経新聞(国民生活基礎調査からの作図)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO35212990R10C18A9000000?page=2

第1位は認知症。
前回話した通り、認知症は手術をすれば治るモノでもありません。
なので、特に入院して何人もの看護師が毎日の変化を追う
ほぼ「医療」の必要はありません。
認知症の患者様に必要なのは、ほぼ「介護」になります。

一方、
第2位には脳卒中、
第4位には骨折……など病気がランクインしています。
一見、これは医療のようですが、
これは「介護が必要になった原因」ですので、例えば、
・脳血管障害から半身マヒになる
・骨折の後に筋力が落ちて、寝たきりになる

→結果、介護が必要になったというデータなのです。

これを言い換えると、
骨折を治すのは医療なのですが、
骨折が治った後、動けなくなったら介護が必要になる
ということなのです。

時間の流れを、もう少し詳しく言うと、
健康寿命75歳で骨折したとして、
骨折の治療は長くても3カ月程度の入院で終わります。
でもそこで筋力が落ちて寝たきりになると、
平均寿命85歳までの10年間は介護が必要になるのです。

では、そんな
3カ月で終わる「医療」ではなく
10年間必要になり続ける「介護」が増える少子高齢化の未来に、
「医療」を担ってきた病院へ求められる
「必要な機能」とは何か?
それを次回に話していきたいと思います。

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