看護師が書く 日本の医療危機 ⑥病床が減ったら、増える高齢者はどこに? 第4話
前回まで
例えば健康寿命75歳で骨折しても
骨折の治療=「医療」は長くても3カ月程度の入院で終わる
でもそこで筋力が落ちて寝たきりになると、
平均寿命85歳までの10年間は「介護」が必要になる
そんな「介護」が増える少子高齢化の未来に、
「医療」を担ってきた病院へ求められる
「必要な機能」とは何か?
これを今回、話していきたいと思います。
その「医療に必要な機能」とは何か?ですが、
その答えは今まで話してきた病床機能報告制度にあります。
病床機能報告制度は
上図のようにワイングラス型からヤクルト型に
病床の機能を分けて、必要な数に調整していきましょう
という話でした。
具体的にその機能は4つ
①高度急性期機能…救急医療や集中治療室など手厚い治療
②急性期機能………入院が必要な重い病気の治療
③回復期機能………重い状態は乗り越え、リハビリが必要
④慢性期機能………人工呼吸器をつけたままの生活
など、急に悪化はしないが医療が必要
以前は、ザックリと分類した以下のような表を提示したと思います。
参照元:鹿児島県ホームページ
https://www.pref.kagoshima.jp/ae01/kenko-fukushi/kenko-iryo/byosyokinohokoku29/top.html
この機能を踏まえ、
改めて下図の病床の数を見てみると、
増えているのは③の回復期病床の数だけなのです。
つまり医療においては、
脳卒中や骨折など、病気を治した後の回復期の患者が増え、
介護が必要にならないようなリハビリが
今後の少子高齢化社会には必要だとされているわけです。
と、いうわけで
必要な機能=回復期機能
ということはわかりました。
そのうえで、改めて見て頂きたいのはココ
必要な機能=回復期を増やしていますが
病床全体の数は減らしています。
と、いう訳で本シリーズの本題、
高齢者は増えるけど、
病床が減ったら増えた人たちはどこに?
を次回に話していきます。
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