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コープデリアプリに見る印刷物の存在価値とは

紙離れは誰もが感じていることですが、以下のコープデリ社のデジタル転換事例を見ると、デジタル化の流れはさらに加速するものであり、もう抗っても何も生み出せない段階に来ているように感じます。

クライアントの紙離れは、予算的なことが背景にあるのは当然ですが、それ以上にデジタル化の流れを促進しているのは、顧客へのきめ細かな情報提供を行わなければ、顧客を他社に奪われるリスクがあるからです。
このリスクへの対策がデジタル(アプリ)化を推進している一番の理由です。

コープデリ社では、月10万ダウンロードを実現させ、売上も好調に伸びているようです。
しかし、紙からアプリへ誘導するには多くのハードルがあり、紙の利便性、つまり勝手に届く紙の便利さを凌ぐことが難しいという課題があります。

では、どうやってその壁をクリアしたのかというと、それはどうも単純なことでした。

アプリでしか買えない特売品や限定品を紙で徹底的に告知するという手法です。特売品の価値が高ければ高いほど、言うまでもなくダウンロード数は増えます。
しかし、ダウンロードしても特売品しか売れない場合、逆に赤字になります。そこでアプリのメリットを最大限に高めるために、レコメンド機能を強化し、ついで買いを増やしたり、WEB上の特産フェアを頻繁に開催したりするなど顧客体験を具体化しています。

では、紙は本当に価値を失っているのかというと、ダウンロードのきっかけを作るのはやはり紙が最適であり、オンライン広告などはかえって効率が悪いものになります。

つまり、紙の価値は起点づくり、購入のきっかけはオンライン、そのうまい組み合わせを確立することが、紙の存在価値を高め続けることになると痛感する次第です。

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