久しぶりの読書。「世界でいちばん透きとおった物語」
久しぶりの読書だった。
5年程まともに小説を読んでいなかった。
読めなかった、と言う方が正しいかもしれない。
その年私は祖母と親友を、空へ見送った。
まさか1年の間に喪服を二度着る事になるなんて思ってもみなかった。
そして、幼い頃から本が好きだった私は本が読めなくなってしまった。
どんな言葉に出会っても、祖母と親友がちらついて悲しくなってしまいそうだったから。
しかし今年の夏、久しぶりに本を一冊買ってみようと思い、学生時代に気になっていた本を買うことにした。
そんな風に思