司馬遼太郎「燃えよ剣」
司馬遼太郎「燃えよ剣」を読了しました。
色々、読んでいて考えさせられるポイントはあったのだが、
夢中になって読み進めていたので、あまりメモをとっていないため、数箇所だけコメント。
理想とは何か
土方は、「理想とは本来子供っぽいものではないか」
と言い切っている。
子供心を忘れるな。というメッセージを感じられたような気がし、戒めと同時に、自分のなかにもある、僅かな子供心の存在を全肯定された気がして読んでいて感動したシーン。
万世に変わらざるもの、古今不易のもの
幕末の動乱の時代において、個人として、そして組として、これまで何をしてきたのかを明確に捉えていて、これからは何を軸として生きていくのかを持っている人間は強い。
節義の大切さを論じる前に、こういう強い意思を持った人間に「生」を感じる。
大切にしてきたもの
土方は、それよりも前に下記のように回想するシーンがある。
上記と同じように、こういう強い軸を持っている人間は強い。生気を感じられる。
と同時に、現代を生きる私にとっては、
「しかし、剣がなくなったら?新撰組がなくなったら?近藤がいなくなったら?沖田がいなくなったら?考えが変わったら?」
という風に考え始めて、リスクマネジメントをもしようとする癖がついていることに気づいた。
新撰組の歴史的な意義について
読み進みていると、途中でふと思ったことがある。
「新撰組の歴史的な意義ってなんだったんだろう….」
でも、司馬さんも書いてある通り、その解釈は非常に難しいだろうし、多岐にわたる。
歴史的な意義なんて、後世に生まれた人が決めるもので、私もつまるところ、one of themっていうことだ。
自分なりに意義、意味、を考えておき、個人的な意見として持つべし。
恋愛小説としての側面について
これについてはあんまり語れないし、語るところがない。
というのも、現代を生きる私個人の理想的な関係性と土方とお雪の関係性が乖離しすぎているからだ。
あ〜昔の人はこんな刹那を生きていたんだな。という感想である。
まとめ
結局、土方って命をかけてでも守りたいものが、新撰組であり、節義であったわけで、それって現代を生きる私にとっては何に値するんだろうな….と考える。
命が何よりも大切だと言われているこの時代に、命をかけてでも守りたいものなんて、簡単に見つかるはずがない。
でも、それくらい必死になって守りたい自分の信念を持って、他人のために価値を提供していけよって土方に言われている気がする。