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『城の崎にて』志賀直哉

『城の崎にて』
電車に跳ねられた「自分」は怪我で東京病院に入院後、兵庫の城崎温泉に赴く。
そこで生きている蜂の中で虚しく死んでしまった蜂を見ては、誰も気にはしないんだなと虚しくなる。
次に「自分」は首に串の刺さった鼠が石を投げられ逃げ惑う所を目撃する。その後水に落ちるもどうにか助かろうと一生懸命に泳ぐ。その必死に逃げる様に「自分」は寂しい嫌な気持ちになる。
脊椎カリエスになることを怯えながら生きる「自分」が、あの蜂や鼠に重なり「生」と「死」は必ずしも両極端なものではなく、隣り合わせなものだと「自分」は気づく。

生き物一つ取るにしろ作者の情景描写が秀逸であり、鼠が死に対し逃げ惑う所は生々しく目を背けたくなった。でも、正直何故この作品が有名になのかが凡人の私にはわからない。

『城の崎にて』志賀直哉


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