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卵巣が破裂して緊急入院した話 -5

入院4日目以降の変化

入院初日と2日目はだるい・眠い・痛い・発熱で9時間ぐっすり&昼間も検温や回診と食事の時間以外はほとんどずっと熟睡していました。

症状は入院4日目からだいぶ胃と下腹部の痛みが治まってきて、そのあとは5日目、6日目と少しずつ炎症がひいたのか痛みがマシになっていきました。わかりやすい所では食事を9割食べられるようになりました。

4日目の朝、トイレの後におなかの張りがおさまって楽になったと喜んでいたら、ベッドに座った瞬間やっぱりまだ痛い。TVつけてお笑い番組など見てしまったら声出して笑ってしまい、それがまた痛い。

よく手術後の患者さんは笑わない様にするの大事って言いますけど、それと同じでした。コロナ禍なので病室でも誰か入ってきたらマスクを付けていたんですけど、たまに外して咳込んで後悔していました。

あいかわらず炎症を抑えるための抗生剤と痛み止めの点滴は大量で、水も多めに飲むようにしていたので排尿の回数は半端なく増加。
トイレの回数も記録するよういわれていて、日に10回以上行っていました。

点滴の針をまだ抜けない状態でしたが看護師さんの配慮でビニールぐるぐる巻きで保護してもらい、4日ぶりにシャワーで体と油脂ドゥルッドゥルの髪を洗うことができました。

お風呂アイテムをなにも持ってきていなかったけれど、シャンプーもボディソープもドライヤーも借りることができました。ありがたや!

4,5,6日目はまだ37度台前半の微熱もありましたが体がさっぱりするとだいぶ元気が出ました。

看護師さんとお話して手術を決意

ずっとずっと決めかねていた卵巣・子宮摘出の手術を、この入院中に決意しました。

もういい年なので出産もしないだろうけども常駐してた臓器をまるっと摘出するのがなんだか恐くて避けていました。(詳しくは3をご覧ください)

場所もほぼ体の重心だけに、手足以上に術後の痛みを想像するだけで恐ろしくて決断できずにいました。

根っからの人生の敗者なので痛みを想像して「他の患者さんたちが打ち勝てても、私のような軟弱者じゃ勝てないわ。ムリ」と。

現在担当して下さっている掛かりつけ医からは一年半以上前の初診の頃から「薬の治療を試してみて痛みが取れないようなら手術しかない」とは言われており、様々な要因から早めに摘出することをお勧めはされていたんです。

この病院の前に通っていた婦人科でも複数の医師からほぼ同じような事を言われていたので、現在の婦人科医療における共通の見解なのだと思います。

閉経まで逃げ込むにはまだ長いし、人によってはだいぶ長く閉経がこないらしいし、でも、できれば逃げたかったのが本音です。

新しい飲み薬で卵巣一瞬で治らないかな~とか夢見たりもしてました。

でも、ついに気づいてしまったのです。

卵巣破裂で薬も効かずに5時間苦しんで、こんなに胴体の広範囲にわたる痛みと戦ったなら、はじめから計画的に痛みのケアあり麻酔薬アリの腹腔鏡で範囲小さめの手術の痛みになら私のようなやつでも耐えられるんじゃね? と。

と、そのことを他の患者さんをずっと見てきたはずのベテランの看護師さんに入院中に打ち明けてみました。

そうしたら私が搬送されてきた時の痛がり方は「摘出手術後の患者さんたちの平均の倍以上」と。やっぱりなー!

患者さんには麻酔も、覚醒する前から痛み止めを使ってるからヌヌさんほどの痛がり方にはならないのだと教えて下さいました。
ですよねー。

じゃあ、私ほどの弱虫でも、耐えられる説、有力でしょう?

少なくともそれ一回耐えきったらそのあと一生、捻転・破裂・生理痛・経血漏れの不安とはさよならバイバイじゃん?

私の人生の悩みの99%解決じゃん?

自由じゃん?

ビビりなのでたくさん質問をしたら看護師さんは丁寧に痛み止めの段取りや、患者さんたちの痛みケアの解説をして下さり、それを聴いているうちに謎の安心感がわいてきました。

惚れてまうやろ

このチキン女に決意させるほどの看護師様、すごい。

なにしろ今回の入院中、ずっと点滴などまめに見に来て下さり、困ったことがあって呼ぶとすぐ笑顔で対応して下さったし、不安感がまったくなかったです。

心境の変化

もしここで手術を決意せずにまた同じ症状で緊急入院を繰り返してたら
破産する。
シルバニアファミリーの新作を買えなくなる。
お金も大切だし、QOLも大切。

これで手術を決めずに退院などしたら救急隊にも病院のみなさんにも、誰に対しても申し訳ねえ!

今まで30年くらいの長い時間を生理痛と卵巣の気まぐれの奴隷として不自由な生き方を強いられてきたけど、やめやめ。

なんでこんな無くても生きていける付属物に振り回されにゃならんのよ?
わいをコントロールしてる主は子宮じゃない!

という心境の変化でだんだん前向きになっていきました。

ついに悟った私氏。

いや~、こんな葛藤もせずに最初から合理的に考えて手術することを決められた先人たちはえらいっすわ。尊敬しかないです。

そして医師の反応


掛かりつけの先生が病室まで様子を見に来てくれた時にこの決心を伝えると、


それな、の顔。

これ。

たぶん数多くの似たような患者を診てきたでしょうから明鏡止水。

いちいちメンタルを責めてくるような言葉はぶつけてこないし、このチキン女の言い分(主訴:怖い)をだまって聞いて下さるので良い先生です。

翌日にはもう「手術の日までの通院&検査の全スケジュール」を組んでくださいました。速い!

山のような書類をマイナカードの手続きよりダッタン人の矢よりも速く用意する手腕。やっぱやめるとかもう言えない。

幸か不幸か婦人科の腹腔鏡下手術の実績が多い割と有名な病院だったので、これからの手術の待ちも超長く、なんと5ヶ月後。こいつは遅い!

転院前の病院に通っていた頃(コロナ蔓延から一年経過した頃)の段階では「手術をするとしたら通常よりも長くなって2ヶ月待ち」と聞いていたので、いまや倍以上。

(もっとはやく決断していれば…なぁ…ハァ…長いよ~)

そしてこの入院したときは真夏。
手術は真冬。

手術直前になる頃にはすっかり今回の痛みを忘れているでしょうから、そのころにはブルブル震えがこみ上げてきそうです。戦えるかな?

この時の激痛と決意を忘れないようにします。うん。
次の入院前にはこのnoteを自分で読み返そう。


続きはこのシリーズ最終回の「退院の日にあったマジですか?なこと」などを書きたいと思います。
また読んでくださるとうれしいです。


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