ほんとうは、生きたかった。
企画メシも第四回を迎え、あっという間に折り返し地点。
今回は音楽の企画。
この課題を考えるうえで頭の中でたくさんの人に再会した。
提出課題には載せられなかったけれど、とある人のことをここに残しておこうと思う。
前職の仕事内容がどうしても合わず、メンタルの調子を崩したことがある。
こういうことを軽々しく口にしてはいけないことはわかっているけど、人生を終わりにしてしまいたい、と思ってしまったことがあった。
ありがたいことに周囲の人からたくさん言葉をかけてもらった。
「大丈夫だよ」「ちょっと休んだら?」「なんとかなるよ」
本当に人に恵まれているなと思った。
でも、一向に仕事と自分の関係性は変わらなくて、むしろ日に日につらさは増していく一方だった。そして(大変失礼なことは承知だけれど、)だんだん人からかけてもらう言葉の一つ一つが自分の中で軽くなっていってしまった。
そんなとき当時の会社の産業医の先生とお話しする機会をいただけた。
また今までと同じような優しい言葉をかけてもらえるのだろうと思っていた。
用意された部屋に入って、悩みの大枠を伝えた。
すると、開口一番先生は
「あなた勉強するの好きでしょ、大学院とか行ったら?」と言ってきた。
「は?」と思った。そしてよくわからないものがこみあげてきて涙が出てきた。
先生はそのあとも
「大学で何勉強してたの?」とか
「僕の病院に通ってた人で、タイ語の通訳になった人がいて、今すごい儲かってるらしいよ。」とか
もし「落ち込んでいる人にかける優しい言葉集」があったらそれに載っていそうな言葉は一切言ってこなくて、全然関係ない話をずっとしていた。
「大丈夫」も「休みなさい」も「がんばれ」も何も言わなかった。
そして最後に「何したっていいんだよ」と言ってくれた。
その時私は別に大学院に行きたいと思っていたわけでも通訳を目指していたわけでもない。
でも先生の話は、仕事でいっぱいいっぱいになっていた私の頭に風穴を開けてくれた。
そして気づいた。この世からいなくなりたいと思っていたけど、そうじゃなくてほんとうは「生きたい」と思っていたということに。
たぶん、私にもやりたいことはたくさんあった。好きなこともあった。でもそんなことも思い出せないくらい苦しかった。
その苦しさを、人生を終わりにしたいという意味に変換してしまっていたけど、そうじゃなくて本当は、道を変えて生きていきたい、そういう心のSOSだったのかなと気づいてはっとした。
あれから全てがすぐに好転したわけではないけれど、自分なりにもがいて、
今、なんとか歩ける道を探して頑張って生きています。
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この話も含め、本当にたくさんの人に支えられて生きてきたんだと改めて感じることができました。
きっかけをくださった、音楽の企画、NakamuraEmiさん、ありがとうございました。