こどもや身近な人に伝えたいお金の話 2話 複利の力
20世紀最高の物理学者アインシュタインが「人類最大の発明」「宇宙で最も偉大な力」と呼んだ力を知っているだろうか?
それは複利。
「元本だけでなく、利子が利子を生む」という考え方のことだ。
こどもたちは、雪だるまを想像してくれたらいい。
最初の芯は小さくても、コロコロ転がしてある程度の大きさになると、ひと転がしで大きくなるスピードが上がるよね?
それと同じイメージだよ。
複利ともう一つ単利という仕組みがある。これは一定の量ずつ増える仕組み。
例を挙げて、比較して考えてみよう。
複利
100万円に、1年間に6%の利子がつくとする。1年後には106万円だ。
その翌年には(100万円+6万円)に、6%の利子が付いて112.36万円となる。
単利
100万円の1年後は106万円で変わらず。
翌年は同じく100万円に対して6%の利子が付いて合計112万円。
こちらは利子を毎年使っていくイメージだね。
この時点では3600円の差だけど、時間の経過とともに大きな差となってくる。
〜12年後の金額を見てみよう。
複利
計算式は b=a(1+r)n乗 で求められる。 100万円×(1+0.06)12乗
201万円 2倍になった!
単利
計算式は 100万円×6%×12年 + 100万円
172万円
複利と単利で、12年で28万円も差がついている。
〜次は30年だ。
複利
574万円
単利
280万円
2倍以上の差がついている!
複利の力を感じてもらえたんじゃないかな?
72の法則
ある資産を複利で運用して2倍になるのに必要な年数を計算できる法則で、下記の式で表される。
年利(%)× 年数(年) = 72
2%なら36年かかるし、6%なら12年、8%なら9年だ。
10年単位の時間をあてれば、2倍にすることはそんなに難しいことではないことに気づくと思う。
複利ってすごい!!
複利のネガティブな面
とてもパワフルな複利の力だけど、良いことばかりじゃないんだ。
そう、借金!
借金が膨れて返済ができなくなったなんて話は聞いたことないかな?
複利は借金の返済額を増やす方向にも作用するので、注意が必要だよ。
※借り入れるローンの種類によって単利と複利が分かれるようです。
余談 連帯保証人について
世の中には連帯保証人という仕組みがある。
ある人がお金を借りる時、返せなくならないようその保証を親や親族、友人などの第三者が行う制度のこと。
(2020年4月の民法改正で若干の変更がありました)
たとえどんなに仲が良い間柄でも、たとえ親兄弟でも、これだけは絶対に受けてはいけないよ。
お父さんは、祖父母(きみたちにとってはひいおじいちゃん)の代からこのことは繰り返し言われてきたんだ。
お金が返せなくなったり、借りた人が払わない時、替わりに返済をしなければならなくなるんだ。
商売をやっていた祖父祖母は、他人の借金のカタに大切な家や資産を取られて泣いた人をたくさん見てきたんだ。
家訓の一つと思って、覚えておいて欲しい。
終わりに
複利のチカラと、時間のチカラをどう使うかが、資産運用の鍵となる。
きみたちはこれから長く生きるんだから、より大きくそのチカラを使えることになる。
どう使っていくかは、またいずれ。
役にたったと思ったら、いいねやフォローを!
励みになります。