死にたくなったので深夜歩いてみた

ここ一年死にたい気持ちが付いて離れない。
原因は色々あるが、これといって断定できるものはない。心のコップにヒビが入って生きたいという気持ちが流れ出てしまったんだと思う。

死にたいと思っているが、実行に移そうと思う時は数週間に一回くらい。ここ最近はペースが早い。今日はすごく死にたくなったので最期にお気に入りの近所を歩いて見ようと思った。

住んで一年、素敵な街並みに惹かれ住んでいたが、最近は気持ちも沈み外へ出るのも辛くなった。思い込みが激しいけど、すれ違う人の自分を値踏みするような目が嫌いなのもある。

でも今日は深夜散歩。人も少ないし、人に親切にしなくても良い。頑張って踏み出してみよう。

外に出ると春のにおいがした。なんともいえない植物と乾いたアスファルトのにおい。優しいにおい。

大通りに出ると、車の通過音と道路工事の音。
道路整備のおじさん2人は立ちながらうなだれていた。

普段は絶対通らない道を通ってみよう。
近所なのに通ったこともない小道に入った。見たこともない公園があった。
喋り声がすると思ったら、4-5人の大学生くらいの男の子たちが遊具の上で集まっていた。
ゲームでもしているのかな。迷惑にならないようになのか静かに遊んでいて礼儀正しい。

インドに行った時、0時過ぎでもたくさんの若者たちが道路をバイクで爆音で暴走してたことを思い出した。あまり良くないんだろうけど見ていて楽しかったな。あれくらい元気にはっちゃけても良いんだよ大学生。

そろそろ疲れたしお腹も空いたがこの時間はコンビニくらいしかやっていないのでコンビニへ向かった。
途中いつも使っている地下鉄の入口は閉まっていた。いつもありがとう駅。

コンビニではお気に入りの「ジューシー鶏つくね」を手に取った。何飲もうか悩んでいたら男性がにゅっと出てきてビールを取って行った。
これも何かの縁だから私も同じビールを買った。

もう帰ろう。
コンビニ出てすぐビールを開けた。ビールは微アルコールと書いてあったので飲んでみたら確かにほんのりアルコールで美味しくないわけではないが、やっぱりヱビスが好きだなと思った。

自分のマンションに着いてポストを開けると9割方自分には関係ないチラシが入っていた。マンション購入、リフォーム、保険…これから楽しい人生を送る人には必要だと思うけど、毎日生きるので精一杯な私には要らないものたち。読まないし見ているだけで辛くなる。いつものようにすぐにマンション共用のチラシのゴミ箱に捨てた。チラシを作ったり、配達した人には申し訳ないけど。

自分の部屋に辿り着き、すぐさま「ジューシー鶏つくね」を電子レンジで温めて食べた。うまい。味が薄いビールも美味しく感じるくらい。

全く死にたいと言う気持ちは消えなかったけど、春のにおいを感じながらのお散歩はよかったし、何より「ジューシー鶏つくね」は美味しかった。

いつかこの死にたい発作によって衝動的に死んでしまうんだろうけど、どうにかまた死にたくなったら夜散歩に挑戦しようと思った。

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