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刀を趣味にするには、ハードルが高い

なんとなく、日本刀が好きです。

もう10年になりますが、軍師官兵衛の放送に合わせて展示された「圧切長谷部」の存在感に圧倒されました。

何が凄いのか、分からないけど何かが凄い。
言語化するための手がかりもなく、ただただその存在に引き込まれました。

以来、機会があれば美術館や博物館で鑑賞しますが、どう観れば良いのかが分からない。

東京の刀剣博物館で開催されていた「現代刀職展」に至っては、もう本当に置いてけぼりでした。

作刀、研磨、刀装、さまざまな部門ごとに入賞作品が並んでいても、評価のポイントがまるで分かりません。
自分が持たない価値観で優劣が決まっていく、まるで異空間に迷い込んだかのようでした。


折しも、近年は刀剣乱舞からの日本刀ブームです。
刀に焦点を当てた展覧会も増えています。

少しでも、観る目を養いたい。

そこで、初心者向けの鑑賞レクチャーに参加させていただき、基本的な刀の持ち方、観る方法などを教えていただきました。

大変有意義な、そして濃密な時間です。
刃文などは教えていただかないと分からないと思います。刀剣鑑賞の入り口に立てただけでもありがたいものでした。
できれば継続して習いたいのですが、それでも支部や入札鑑定などと言われると腰が重くなります。

その意図は理解できます。
鑑賞に知識が必要なのも当然です。

でも、当て物がしたいわけではないんですよね…

刀をどう観たら良いかを知りたいのです。
できれば、時代や刀匠を知った上で、その刀の特徴、どこを観れば見分けられるかを教えてほしい。

「日本刀入門」みたいな雑誌の内容を、できることなら、現物を見ながら学びたいのです。

入札鑑定については、しばらく前にX(旧Twitter)で議論がありました。
なかには、およそ想像もできないような経験をされた方もおられるようです。

良い勉強方法だとは理解するのですが、そういう話を聞けば聞くほど、ハードルが高く感じます。

ハードルが高いというか、感覚的には走路にずらーっと跳び箱が並んでいる気がします。
跳んでも跳んでも、より高いものが待っている。

ゲームから入った方みたいな熱はないですし、刀を所有したいわけでもない。
少なくとも、仕事やプライベートが落ち着いていないと手を出せない、そんな風に感じます。


あぁ。でも、あのとき見せていただいた水心子は美しかった。
脇差を美しいと思ったのは、初めてです。



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