【海外の人たちと、一緒に働く時にあたって】
まず「私たちは常に差別の意識を抱えている」
という前提を理解し、受け止める必要があります。
なぜなら、私たちは自分と他人を、さまざまな
「違い」から、分けへだてするからです。
意識的にせよ、無意識にせよ。
もちろん、この意識は日本人同士もあります。
自分自身もまた、差別する側にも、差別される側にも、簡単に変わります。
海外の人が相手になると、その意識が顕在化、つまり「表に出やすくなる」というだけです。
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昨日は、「外国人の雇用」に関する法律と現状について、学ぶ機会がありました。
登録支援機関の方が講師だったため、技能実習生と特定技能の違い、または法律に加えて監督する行政機関について、貴重なお話を聞けました。
一方で、個人的にそわそわするほど引っ掛かりを覚えたのが、「外国人」という言葉、単語です。
(この言葉そのものが、差別を生んでいる)
そんな思いが、頭から離れませんでした。
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意識を考えるうえで、重要なポイントになる
のが、「言葉」です。
「言葉」は本来、自分の考えやイメージを
具体化し、相手に伝えるための便利なもの
ですが、
その反面、話す人の「価値観」や「本音」が
露骨に伝わってしまうリスクも抱えています。
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先日、実際にあったことです。
ある打ち合わせで、「管理職の悩みや日々の
課題を解決する勉強会をしよう」との話に
なりました。
その時、キーワードに上がったのが
「女性管理職」でした。
「そもそも、今どき男性、女性で分けるのは
ナンセンスでは?」
「まして、ビジネスや経営で求めるのは、成果、
成果を生む能力や行動ですよね?
あえて男性や女性を分ける理由があります?」
私がお伝えすると、一瞬、議論が止まりました。
「もし女性の管理職を打ち出される場合は、
そもそも会社、経営側は本当に女性を管理職に
登用したいのか?
まずは、そこの意識の確認からでは
ないでしょうか?」
結果、勉強会は「今は結論を出すより
前提となる意識の確認から見直そう」
という方向性へ議論が動いていきました。
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「場を凍らせるかな」と思いましたが、
やはり「言葉」は無意識に使ってしまう、
ふと浮かんでくるのが厄介なところ。
「それじゃ、何も話せないよ」とも言われます
が、むしろ、そこがスタート地点です。
なぜなら、私たちは他者を「本当に大切だ」と
考えるとき、「言葉を選ぶ」という知恵が
浮かぶからです。
英語が苦手、今の若者言葉がわからない、は
その知恵の前では大した問題ではない。
むしろ無意識に出た「ひと言」が、その人自身
の「印象」や「品格」、会社・事業の「評価」
を下げる方がもったいない、と私は思います。
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とはいえ、私も差別の意識は常に抱えています。
数年前、インバウンドの仕事をしていました。
その際、頻繁に海外の方とメールでやり取りしていましたが、「返信が遅い」というストレスをいつも感じていました。
「海外の人はルーズだ。あまり仕事をしたくないのかな」
こう思ったり、愚痴も言っていると、ある日、
仲介役の方が教えてくれました。
「彼らは「17時に帰って、家族といつも夕食を
食べる」というワークスタイルだからね。
「それ以上に、人生で大切なことがあるか」と
いう価値観を持っているんだ」
ガツン!頭を殴られるほどの衝撃でした。
「時差があるから」と、22時、23時まで
メールをしている自分の方が「異常な働き方」
の「ダメ人間」だと痛感しました。
「違い」を知ることは、自分の価値観を変える
ほど、大きな教訓も得られます。
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