詩/ミディアムポエム:藤棚

藤棚の暗がりは
鳩も食べ残しも
ひんやりとしている

脇にそびえる銀杏の樹は
喉元まで蔦が絡まってまるで
キリンのキマイラの腹の下です

ひんやりとしている僕の
足元から生える指も
それが愛かのように絡まって
喉に、鼻に、耳にふれる
そんな官能も懐かしく

百年も前からの約束のように
僕らはキマイラでいる

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