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【101号室 / らぶこ】ハムパンとコーンパン

私の母は私と真逆の性格で、
凝り性で研究者タイプの負けず嫌い。
腰は重いが、ひとたび始めたらとことん追求していく。

私が子供の頃、母がハマったのはパン作りだ。
毎日毎日パンを焼いていた。
食パンあんぱんクリームパン、
特に子供たちに人気があったのは、ハムパンとコーンパンだった。

昨日母が突然2大人気パンを焼いた。
30年振りの再会に胸が高鳴る。
薄いが故にちょっと固くなって旨味がギュッとなったハム。
マヨネーズの酸味が引き立てるコーンの甘み。
それらをくるんと包む甘めのパン。

全盛期のそれらはもっともちっとぷくっとしていたような気がするけど、私にとっては十分懐かしい大好きなあのパンでした。

食パンは飽きるほど食べた。
大人になって、吉祥寺にある某有名ベーカリーのクリームとバターたっぷりの高級食パンを食べた時、母の食パンの味だったことにはとても驚いた。
母の食パンはご近所でも大人気で、私はその食パンを月謝代わりに、大学の英語講師をしている友達の叔母さんから英語を習っていた。
なのに当時の私ときたら、
「たまにはヤマザキの食パンが食べたい」
とぼやいていたそうで、母は今でも忘れていない。(私は記憶にございません)

残念ながら英語は身につきませんでしたが、
母が育ててくれた味覚は、正常に働いております。
ありがとう、母。

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