まだ名前のない愛 ~ケイタ推しの私がボイプラを終えて~ 前編
推しがオーディションに落ちた翌朝は皮肉にも快晴だった。
一緒にサバイバルオーディション番組の最終回を見るため我が家に泊まっていた友達を起こし、カーテンを開けると、希望そのものみたいな眩しい光がリビングに飛び込んできた。
友達の推しも、私の推しも落ちてしまったので、上手く笑えないままコーヒーを啜り、ぽつぽつと昨夜の感想を語って朝のうちに解散した。
その後、昼から予約した病院に行くため、駅に向かって川沿いの道を歩いた。
まだ四月の中旬なのに、夏みたいに暑い。よく気温を確かめな