距離感バグって不義理を成す

後悔していることがある。
一時期マンツーマンの英会話スクールに通っていた。
毎回指名していた担当の先生はアメリカ人男性で、とても話が合った。
話が合いすぎて、私が英単語を思い出せなくても、言いたいことを察してくれるので、勉強になっていたかどうかは分からない。
月2くらいで通っていて、私と先生の会話は、英会話を学ぶというより、友人と話したい事を英語で話すみたいな感じになっていた。だから、先生にとっても、私と話す時間は楽しかったのだと思う。(そのスクールには超初級の生徒さんもいたので、レッスンの内容は相手によって全く違ったと思う)

2年くらい通って、私はなんの挨拶もせずに突然通うのをやめてしまった。
理由がはっきりと思い出せない。たしか、引っ越して少し遠いところから東京に通勤するようになったタイミングだったと思う。スクールは東京にあり、仕事の後に行くことはできた。
その東京の職場もそろそろやめようかなと思っていたんだっけか。
なんだか英会話ももういいかなという気持ちになった。
続けられない明確な理由があれば、ちゃんと先生にもそう伝えて辞められたと思うけれど、そうじゃなかったからフェードアウトしてしまった。

先生からはFacebookで一度だけメッセージが来た。「君の予約を楽しみにしていたのに、突然来なくなったからどうしたのかと思って。」
悪いことをしたなあと思った。もう10年以上も前のことなのに、今でも思い出してしまう。

私は、人との距離感が分からない。
孤独感が強いので、いわゆる「重い女」になりがちだと自覚している。
それで逆に、重くならないように、重くならないように、と気をつけすぎて、結果的に冷たいふるまいをしてしまう。
自分以外の人間は、病んでいそうな人を除いて、みんな私よりドライなのだと思い込んでいる。
その英会話の先生は情緒の安定した人だったし、アメリカ人らしく、自他の境界もはっきりしていたのでなおさら、そういう人が何をされると寂しく感じるのか、想像できなかった。

本当を言うと、この一件だけではない。
過去に何度もそういう不義理を働いてきた。
それに関して感じることはやっぱり、「恥ずかしさ」だ。
作法が分からなくて恥をかいてしまった、という感覚。

今思ったけれど、恥をかいた自分にばかりフォーカスをして、傷つけた相手の気持ちに目を向けないから、ダメなのかもしれないね。


いいなと思ったら応援しよう!