「映画館の話」
こんにちは。numaです。
今日は大好きな映画館についてのエッセイを書いてみました。
「映画館」
今日は映画館の話をします。私はとにかく、映画館が大好きな人間なのです。
まず、大前提として、私は映画が好きです。年間100本は映画を見るし、YouTubeの映画紹介専門チャンネルは片っ端からチャンネル登録しています。そんな映画好きの私ですが、特に私は「映画を映画館で観ること」が大好きなのです。
なぜか?というのは追々話していくとして、まずは私の初めての映画館体験について語らせていただきたいと思います。
初めての映画館体験は4歳の時。父母に連れられ地元の「ジョイランドシネマみしま」という映画館に「ファインディング・ニモ」を観に行きました。しかし、当時の私はとにかく怖がりで、映画館の照明が暗くなり、大音量でハリーポッターの予告編が流れ出した瞬間、「ぎゃー!」と劇場内に響き渡るほど大きな声で泣き出してしまったのです。
父母は私を抱えすぐさま劇場を後に。「男のくせに情けない」と、父親からビンタされるという最悪な結末を迎えてしまいました。
というわけで、私が初めて、映画館でしっかり映画を鑑賞したのは6歳の時。作品は「あらしのよるに」でした。当時3歳だった弟も一緒に観ていたのですが、泣き出すどころか眠ってしまっている様子を見て、兄としての不甲斐なさを感じたのを覚えています。そんな悲しみと同時に、確かな感動も感じました。映画館ってすごい…。体験したことのない圧倒的な迫力に身体が震えました。
その頃から、映画館というものに対する好意は強いものになっていきました。父母は3ヶ月に一度くらいのペースで映画館に連れて行ってくれたのですが、その塩梅が良かったのでしょう。いつでも行けるわけではないけれど、忘れた頃に連れて行ってくれる非日常空間。手が届く範囲にある憧れの場所。それが幼少期の私にとっての映画館でした。
そんな私に衝撃を与える映画が公開されます。「センター・オブ・ジ・アース」です。なんとこの映画、3Dでの上映を行ったのです。当時の私は、3Dといったらディズニーランドのようなテーマパークでしか体験できないものだと思っていたため、この「センター・オブ・ジ・アース」の3D上映には驚きました。
私はすぐに祖父母に頼んで映画館に連れて行ってもらいました。しかし、期待MAXで映画館に向かい、映画を鑑賞したところ、「全然飛び出さないな…」と完全に期待外れだったことを覚えています。ディズニーランドのイメージで観に行ったため、その差に拍子抜けしてしまったのだと思います。
しかし、何にせよ、このような発明は映画館を大きく変えるきっかけになりました。その後、4DXという新たな上映方式が登場したのです。4DXとは、映像に合わせて席が動いたり、水がかかったり、風が巻き起こったりとあらゆる効果をごちゃ混ぜにした上映方式でした。
地元の映画館にも4DXの設備ができたと聞いて、私はすぐに映画館に向かいました。当時私は高校生で、お小遣いで映画館に行くことができたため、お金を溜めて、4DX上映された「ドラゴンボール 復活のF」を1人で観に行きました。
孫悟空のパンチに従って自分の背中を殴られるような感覚や、場内に降り注ぐシャボン玉など、今までの映画館の常識を覆す映画体験がそこにはありました。映画館の新たなステージを体験し、とても感動しました。
このように、最新の映画館ではさながらテーマパークのアトラクションのような体験ができる設備が整っています。4DXもそうですが、これに加えてscreenXという上映方式も登場しました。screenXとは、前方の巨大スクリーンに加え、左右の壁もスクリーンになっており、3面で映画を観ることができるというものです。これと4DXを合体させた4DXscreenというとんでもない上映方式も存在します。
これらの最新設備は、映画を映画館で楽しむ意味を与えてくれる素晴らしい発明の数々であると感じますが、私が特に、「映画を映画館で観る」ことに意味を見いだしたのは、浪人を終えた19歳の春、地元静岡の「ZARD」という映画館で観た「ボヘミアン・ラプソディ」がきっかけです。
この映画館、爆音上映という上映方式を採用している映画館でした。爆音上映とはその名の通り、通常よりも数段階大きな音で映画を上映するというもの。「ボヘミアン・ラプソディ」のような音楽映画を観るにはぴったりの上映方式でした。
映画が始まった瞬間、私は度肝を抜かれました。とてつもない爆音で劇場が揺れたのです。音波は劇場だけでなく、身体の芯も震わせました。これほどまでに迫力ある音を体験したのは初めてで、私はこの時、「映画を映画館で観る意味は音にある」と確信したのです。
確かに、巨大なスクリーンも映画館の魅力の一つでしょう。しかし、スクリーンが大きいだけなら、渋谷駅前で空を見上げれば、とてつもない大きさの画面に映像が流されているし、その他いろいろな所で体験できるものです。
それに比べて音は違います。渋谷駅前でどんなに爆音で音を流したとしても、街ゆく人々の声にかき消され、ストレートに音は伝わってきません。しかし、映画館なら、密閉された箱の中で、誰1人としてしゃべることなく、スピーカーから流れてくる音がストレートに伝わってきて、しかも立体音響になっているため全身を音に包み込まれる体験ができます。これこそ映画館の魅力だろうと私は気づきました。
大学入学後、私は特に音にこだわった映画体験をするようにしています。東京には音にこだわった映画館が数多く存在し、「浪人して東京の大学に来た甲斐あった」と自分を褒める毎日を送っています。
ちなみに、東京で音にこだわった映画館としておすすめなのが「立川シネマシティ」です。この映画館はとにかく音にこだわっていて、極上音響上映と銘打った上映方式で映画を公開しています。自分で「極上」なんて言ってしまうくらいだからよほど自信があるのだろうと思って行ってみましたが、「極上」と名乗るだけのことはありました。爆音、という面もそうなのですが、音がとにかく繊細で、映像に合わせて音の大小や高低が調整されており、聴いていて非常に心地良かったです。
また、劇場の設計自体が音に特化した形になっており、また、スピーカーもとてつもなく高価な最高級ランクのものを使っています。音響監修には有名な音楽家の方が入っていたりなど、ここまで音に特化した劇場は珍しいと思います。是非一度、体験してみて欲しいと思います。
このような形で、長々と映画館について書いてきましたが、最後に一つ、映画館の今後への願いを書いて締めたいと思います。コロナの影響で映画館産業は大きな打撃を受けました。コロナによる客足の減少は抑えられていません。しかし、映画館の感染症対策は徹底されており、密閉された空間に思える劇場内ですが、常に新鮮な空気が入ってくるように換気されているなど、実は全く3密ではない空間です。私は映画館を愛する者として、コロナ禍でも安心して遊べる場所として映画館が認識されていくことを願っています。
長文駄文、失礼いたしました。
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