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児童手当について思うこと(今の1万円と将来の1万円の違い)
こんにちは、Sonnyです。
今年の10月から児童手当の制度がこども家庭庁から発表されています。
大きな変化点としては以下のポイント
所得制限の撤廃
対象年齢が15歳から18歳に延長
もらえる月が偶数月に
第3子以降は30,000円
対象年齢が18歳にまで延長されたことでもらえる金額の総額が増えることになります。2024年10月現在に高校生のお子さんがいる方が、一度支給停止になったところからこども手当が復活することになります。
もらえる金額が増えたのは子育て世代にとってはありがいことです。しかし、5歳の子供の親である自分として、少しだけ気になることがあります。
今回は、こども手当の使用目的とお金の現在価値と将来価値に紐づけて考えてみたいと思います。こども手当は家庭の状況によってもらえる金額が変わってしまいます。なので、今現在3歳の子供が1名いるという仮定(ここから2ヶ月ごとに1万円/月分を15年間もらえる)で進めます。
♦︎こども手当を何に使用するのか
新しい制度は、年金制度と同様に偶数月にもらえるようになります。そして、所得制限も撤廃されます。かなり幅広い家庭がもらえるようになるということは、各家庭でもらえるこども手当の使用目的も多岐に渡ると思います。
毎月の生活費の一部として使用する家庭もあれば、ある程度まとまった出費の準備金として貯蓄する家庭もあれば、子供の将来の教育費の一部にする家庭もあるでしょう。それぞれの家庭にそれぞれの事情があるので、支給されたお金をどのように使うのかは、まさにそれぞれの家庭の自由です。ここに他人が口を挟む余地はありません。
ただ、子供が産まれから高校生になるまでの長期にわたる期間もらえるものであるということは、考えておくべきことがあると思います。それがお金の現在価値と将来価値の考え方です。支給されたお金を毎月の生活費に充てていく場合であれば、随時使用していくので、このような考え方をする必要はありませんが、少なくとも今使わない場合は、頭に入れていく必要があるのではないかと思います。
♦︎今もらう1万円と15年後にもらう1万円の”価値”
改めて、こども手当としてもらえる金額はこどもの人数で決まり、それぞれのこどもが18歳になった最初の3月31日までもらうことができます。今年生まれたこどもである場合、18年という長期にわたりもらうことになりますね。
冒頭にも述べた通り、家庭のバリエーションが多いので3歳のこどもが1人いるという仮定で進めます。この場合は、1万円を15年間もらえることになります。今考えたいのは、「今日もらう1万円と15年後にもらう1万円って同じかどうか」です。
今日もらう1万円は1万円ですよね。1万円でたとえば水道光熱費や食費に使うことができますし、1万円としての価値で使用することができます。では、今3歳のこどもが18歳になった15年後にもらう1万円はどうでしょうか。実は、15年後の1万円は額面上は1万円ですが、価値としては1万円にはならないんです。
ここで将来価値と現在価値です。それぞれは順を追って説明します。仮に今日もらった1万円で債券を購入して、その利回りが仮に5%であった場合を考えます。それでもらった利息も運用に回して複利運用した場合、その1万円は15年後には20,789円になります。債券での利回り分は基本的にはリスクがないという扱いになります(ジャンク債は別ですが)。と考えると、今の1万円と15年後の20,789円は同じ価値値になると言えます。これが将来価値という考え方です。
このように考えると、15年後の1万円は1万円の価値を持たないことになります。15年後の1万円を5%の仮定で割り引くと、4,810円になります。つまり、15年後の1万円は今の半分の価値しかないことになるんです。
さらに、インフレ率を考えることも必要です。日本は毎年2%のインフレを目指してます。もし、15年間で毎年2%インフレしたとしたら、今の1万円の価値は15年後には7,430円になります。
どちらにしても、1万円は未来になればなるほど価値は下がってしまうんです。ちなみに、今回の設定で毎月1万円を15年間もらえた場合は、総額で180万円になるのに対して、利回り5%の場合で現在価値に割り引いた場合の総額を考えると、約124万円になります。
♦︎もらい方を選べるようになったらどうなる?
このように額面ではなく価値ベースで考えると、支給金の使用目的によってもらい方を決めることができたらいいように思います。毎月の生活費として使用したいのであれば、今通りの支給方法、目的が将来にあれば一括でもらって運用することもできる、といった具合に。
そうなれば、お金の価値を保存しやすいように思うんです。
ただ、選べるとなると、一括でもらって無駄遣いしてしまうリスクもあり、こうなってしまうと支給金が無駄になってしまいます。新NISAが始まり先日も暴落で投げ売りがあるようなリテラシーだと難しいかもしれません。
ただ、お金の価値が下がってくる今の世の中で、10数年にわたり額面上同額を支給し続ける方法は、このように考えると、もらう側がそれぞれ考えていく必要があると感じています。
今回は以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。