マガジンのカバー画像

【全文公開】これからの本屋読本

110
『これからの本屋読本』(NHK出版)の本文を、すべて無料で公開します。現在、平日毎日ひとつずつ新しい記事を追加中です。ぜひコピペしてSNSやブログ等で引用したり、議論の土台にした…
運営しているクリエイター

#これからの本屋読本

何時間でもいられる

第1章 本屋のたのしみ (1)   むかしから記憶をなくしやすい性質なのだけれど、折にふれて…

94

途方もなさの構造

第1章 本屋のたのしみ (2)   なぜ、何時間いても飽きないのだろうか。本が面白いからだ、と…

32

一番身近にある世界一周旅行

第1章 本屋のたのしみ (3)  本屋を一周することは、世界を一周することに似ている。 世界…

28

旅支度のたのしみ

第1章 本屋のたのしみ (4)  だから本や読書は、よく旅にたとえられる。一冊一冊の本にはそ…

23

本屋は出会いの場

第1章 本屋のたのしみ (5)  もうひとつ、「本は人である」というたとえも、よくされる。本…

25

目的の本が見つかるよろこび

第1章 本屋のたのしみ (6)   人はどんなときに本屋に行くだろうか。  もちろん、時間さえ…

15

あたらしい興味に出会うよろこび

第1章 本屋のたのしみ (7)  けれど本屋の魅力は、必ずしも目的の本が見つかることだけではない。  たとえば「芸術」のコーナーに行く。けれど「写真集」のところには、欲しいと思っていたような、月の満ち欠けを撮った写真集は見つからない。むしろ、以前に美術館で見て気になっていた、昔のパリを撮影した写真集が欲しくなる。迷いながらも、次は「理工学書」のコーナーに行く。「宇宙」と書かれた棚の前に行くと、欲しかったような写真集が何冊かあった。けれどすぐ横に、天体観測の入門書が置いて

本屋は大きいほどよいか

第1章 本屋のたのしみ (8)  そうした本屋のよろこびについて考えたとき、本屋は「大きいほ…

14

物理的に圧倒されるよろこび

第1章 本屋のたのしみ (9)  インターネットは便利だ。買う本が決まっていれば、ネットで探す…

15

本好き、本屋好きという人たちの存在

第1章 本屋のたのしみ (10)  本屋について、このように魅力を挙げていくときりがない。本屋…

35

本は読むまで分からない

第1章 本屋のたのしみ (11)  本を買うとき、「面白い」か「面白くない」か、「役に立つ」か…

16

読み切れなくても買う

第1章 本屋のたのしみ (12)  本は、読めるぶんだけ買うという人もいる。読むためのものなの…

48

本屋の客の、個人の蔵書

第1章 本屋のたのしみ (13)  そういうふうに本を買っていると、自分の本棚にならぶ蔵書は、…

24

本屋の棚の変化は早い

第1章 本屋のたのしみ (14)  一方、本屋の棚に入っている本は、早いスピードで入れ替わる。毎日のように来る客がいることもあって、まさに変化する世界を可視化するように、日々の品揃えを通じて、本屋はそのかたちを変えていく。  顕著なのは、新刊書店の平台だ。とくに雑誌や新書など刊行スピードの早い本は、編集者が「いま、出版する意味があるかどうか」を考えてつくっていることが多い。だから、新刊平台はおのずと、現在を切り取ったような表情になる。流行や社会情勢に、あるいは季節感も加わ