夜について
夜、それもいわゆる深夜に、外を歩くのが好きだ
日中賑やかな場所も夜中には誰もいない。
静かで、ただ自分が歩いているだけ
ずっとこのまま夜が明けないで、暗く、静かなままだったら、どこまでも歩いていくのになって思った。なんだか今なら200キロ離れた地元まで歩いて行けるような気がした。でも実際には半分どころか1割も進まない内に朝は来てしまう、夜の内に到着することは不可能だろう。夜行バスだって6時間かかるんだよ。
朝が来て、明るくなって知らない人たちと通り過ぎるようになってからも歩くことはできるだろうけど、きっと何か違う。私は電灯や時々通り過ぎる車のヘッドライトが目立つほど暗く、自分の衣擦れも息遣いも聞こえるほど静かなとこを歩くのが好きなのだ。通り過ぎるほとんどの家家の中で、みんな寝静まっているんだろう。
みんなが活動していないとき、私は活発になるらしい
思えば、今までずっと周りの人と違う動きをしたがった。目立ちたがりなんだろうか、多分それもひとつなんだろう。
高校生の頃それが顕著に現れた。歳頃と、クラスも部活も大半が女子でいつも少数派だったことが拍車をかけたのだろう。
みんながしゃがんでいれば胡座をかいた。
みんなが昼飯を教室で食べているのなら、自分は校庭や図書室のベランダで食べた(ここのベランダがまたいいのだ、そのことはそのうち書く。かもしれない)
大掃除だって、特に頼まれた訳でも無い優先順位の低い地味な箇所を人知れずこなした。
なんで誰もやらないのか。そりゃ優先順位が低いからだ。
でも、誰かがやってることは、俺がやらなくてもいい、俺は他のことやった方がいいな、と思ってしまう。
いやー、しかし、文面でも、裏側にある「わかるやつだけわかってくれ、褒めてくれ」という気持ちが透け透けである。結局知ってほしいし、賞賛されたいんだろう、君は、
人と違うことをするのは決して孤立したい訳では無く、その行動自体が目立たなかったとしても結局注目されたいようだ。行動自体が目立たなければ目立たないほどこの気持ちは加速するらしい。ベースなんて存在自体がその気持ちの具現化だろう。大体のやつはまず歌を聴く、大体その次リード楽器、もしくはドラムなどビートだろう。ベースなんて1番最後だ。ベースを最初に聴くやつはよっぽどの変態だ。そう、寂しい俺は変態を求めてる。無料ポルノの雑翻訳タイトルになってしまって嬉しい。
話が逸れたが、俺は夜が好きだ。
「結局目立ちたいのだ」という考察も中々的を得ており、理由のひとつであることは間違いないが、それだけが全ての理由であるとは思えない。
きっとまだ何か他のなにかがあるのだろうが、それを全て自覚する必要もないような気がしてきた。だって夜だもん。夜にはそういう全て見えないところに魅力がある。また、いつもと違った面が見えたり、見かけではない本当のことを視覚でなく体感できる。ような気がする。
静かなアスファルトの上を歌ったり舞ったりしてる自分を誰かが窓から覗いていて、その誰かに何か思ってほしいのかもしれない。
夜が好きな俺は夜が好きすぎるあまり、ここのところ遅刻をよくしている。