連続ブログ小説「南無さん」第三話
バシッ! と、空をはじく音があたりにこだまする。
乾坤一擲、放たれた南無さんの一撃は空を裂き、彼方へと飛来。日本列島を上空より俯瞰したのち、遠く琵琶湖へ着床した。
フゥ、いまのは、なかなかの抜き手だった。
自身でも頷くほどの、勢いのある射精。
標高3,776米、富士山剣ヶ峰。吹きすさぶ烈風に身を晒しながら、南無さんの体からは汗が吹き出し、湯気が立ち上った。どれほどのカロリーを消費したのだろうか。しかしなお、南無さんの顔には、疲労を覆うほどの精気が満ち満ちている。
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