暮野早子

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最近の記事

一人一人に人生があるという事実に君は何を思うか【血の轍感想】

 『血の轍』についてツイートが流れてきた。熱烈な感想と共に、『血の轍は、母子相姦的な関係性に巻き込まれた息子の慣れ果てを見守る作品だ』的なあらすじの紹介が共にあった。  私は反射的に“それは違うのではないか”と思った。でも、よく考えると全くその通りだった。  では何故私は違うと思ったのかというと、私はそれまで『血の轍』を生死がテーマになっていると思っていたのだ。実際、この作品は主人公の静一がその母静子と共に猫の死体を触るところから始まっており、死が象徴的に描かれている。けれど

    • 恋はホラーである

       私は恋が好きだ。恋が好きというより、人に接近するのが好きだ。人と接近しようとすると、イチャイチャすることになりやすい。イチャイチャすることを自然にするために、恋をしていることになっている。  本当に心から相手に惹かれて、相手の考えることや生き方に感動したり共感したりして恋をしてしまうこともあるが、基本的には私はイチャイチャするために恋をしている。  人に接近することは恐ろしいことだ。自分よりたくましい相手にぎゅっと抱きつくと、自分の脆弱な体が恐ろしくなる。自分より小さな相

      • 人に好かれる方法 〜人を遊びに誘おう〜

         このnoteは人間から好かれる手段:クラッシャーENTPより全人類に愛を込めてhttps://note.com/sugarcube_t/n/n98ed4b208117 の感想です。すごく綺麗にまとまっているから読みやすいと思うし、人に好かれたいと思って行動する前の前提まで踏み込んでくれているところが優しい。  こっちを読んでおくとなんか……捗ると思います。  私はこれでそこそこ人に気を使う方だ。これでってどれでという感じだが、私は人との距離を異様なスピードで詰めようとし、

        • 少なくとも三年鬱と付き合った人の季節ごとの個人的な所感と対応

           鬱の急性期を終えて、ずっと社会になんとか戻ろうとしながら失敗している人のこれまでの感覚を文字に残しました。反面教師にするなり、普通に参考にするなり、共感してみるなりしてください 春: 冬を終え、暖かくなってくるのでストレッチとかちょっとした運動が捗りやすい一方、動き過ぎてダウンもしやすい。 新生活の季節なので、周りの雰囲気に当てられて新しいことを始めたくなるが、すでに「鬱に対する闘病」というクソデカタスクが入っているので資格勉強とか有益なことを始めるのはあまりいいとは思え

          他者のように生きることはできない

          「このように生きなさい」 と説く人がいる。 「このようなことをするのは恥だ」 と俯く人がいる。  私は比較的文章を書くことが好きで、ここのところは自分の成長記録のようなものを書いている。  3ヶ月ごとの目標を書いて、それを意識して生活する。なんだか小学生がやることのようにも感じるけれど、私にはこれが向いているみたい。  自分が考えたことも書く。世間的には間違ってることも、どこか立派に見えることも、書く。たまに書いたことを人に話すこともある。 「えー、そんなふうに思ったことな

          他者のように生きることはできない

          「界隈」とか呼ばれる場所に所属するときに気をつけたいこと

           完全に主観で書いている備忘録です。 ◯人気者には近づきすぎない  自分がなんとなく「素敵だな」「この人って面白いな、ユニークだな」と感じる人は、大体すでに人気者だったりします。  人気者と近づきすぎると、「私もこの人みたいにもっと愛されたい」と対抗心を抱いたり、逆に「他の人よりもこの人に愛されたい」と執着してしまったりしかねません。そうすると関係が泥沼化します。楽しく界隈で過ごしたいなら、適切な距離を取った方が楽かなぁと思います。  また、運良くその人といい関係を築けた

          「界隈」とか呼ばれる場所に所属するときに気をつけたいこと

          鬱で休職していた膨大な暇の期間にやってよかったなと個人的に思うこと

          ・寝られるだけ寝る  鬱は脳の疲労のサインだと思うので(主観)、寝られるなら寝られるだけ寝て、脳を休ませた方が次の日が楽だった気がする。睡眠障害などが併発していたので、なおさら寝られる時は基本寝ていたし、それで良かった気がする。 ・その時の気分にあった音楽をかける  個人的にはかなりオススメ。私はめちゃくちゃ落ち込んだ時にかける用の「絶望」っていうタイトルのプレイリストを用意している。絶望プレイリストの中身は、Miliの曲が割と多いかな。リスニング能力が皆無なので、英語

          鬱で休職していた膨大な暇の期間にやってよかったなと個人的に思うこと

          我聞慎二によって私は『凪のお暇』を自分の物語として受け取れた

           本当にタイトルの通りでしかないのだけれど、私が何かについて感想をちゃんと持てること自体が稀なので、noteに書いてまとめておこうと思った。  凪のお暇と私の出会いは専門学校生の頃にネット広告でちらっと読んだことだった。最初は絵柄の可愛らしさに惹かれたけれども、読んでいくうちに人間関係の因果を解き明かしそれを乗り越えんとする主人公の大島凪の姿に心が惹かれた。漫画を滅多に買わない私は(当時は常に金欠だった)悩みに悩んだが、結局単行本を揃えることに踏み切った。  ただ、当時は絶

          我聞慎二によって私は『凪のお暇』を自分の物語として受け取れた

          【葬送のフリーレン1巻感想】大切な人の死を看取らせてあげるという行為は愛情だなあと思う

           この前まで『進撃の巨人』を読んでいたので、『葬送のフリーレン』とのテーマの描き方の違いのギャップをかなり感じている。  『進撃の巨人』は自由をテーマとして多角的な視点を圧倒的な熱量でかなり緻密に描写している印象があるのに対して、『葬送のフリーレン』は『死という別れを前提としたコミュニケーション』というテーマを扱っているのにかなり描写が淡白に感じた。一つ一つの小さなテーマをしつこく触るような感じはなさそうに感じる。主人公の性格上そう見えるだけかもしれないけれど。  『葬送のフ

          【葬送のフリーレン1巻感想】大切な人の死を看取らせてあげるという行為は愛情だなあと思う

          【葬送のフリーレン 1巻・2巻感想】傷つきたくない気持ちが後悔を生む時

           私にとって葬送のフリーレンは、かなり前から追っているブロガーさんが感想を書いているからという軽い動機で読み始めた作品だ。  だけど、読み進めていくと「いずれ死んだり別れたりする人間とどのように知り合い、関わるのか」や「死んだ後の人間との思い出についてどのように意味をつけるのか」ということは私が長年向き合いきれずに温め続けていたテーマだったことを思い出した。今では、私にとって大切な作品になるかもしれないと思いながら読み進めている。  これは私の個人的な話なのだけれど、私は小

          【葬送のフリーレン 1巻・2巻感想】傷つきたくない気持ちが後悔を生む時

          世界観を問う44問 回答してみた

          科学に期待できるものの種類について知りませんので、何が期待できそうかはわかりません。科学という言葉を使えばどんな夢でも描けることが期待できるかもしれませんが、それは人間の想像力によって成されることとして表現した方が適切なのではないかと思いました。人類の発展や謎の解明というのも曖昧なものなのでイメージし難いですが、人類が望むのならそれが起きると思いますし、それについて嫌だという気持ちも特にないので、どちらかと言えば嬉しいのだと思います 科学の進歩が人類に不幸をもたらすことはある

          世界観を問う44問 回答してみた

          【ソシオニクス】機能の次元の質問と個人的な回答例 Ne・Ni編

          Ne 1: 人生には意味があると思いますか?  人生ははじまっった時点では意味はないように思う。人間は人が産むことで生まれるものであるから、意図や因果があるとは言えるであろうが、意味自体はないと思う。  しかし、人間が人生に意味を生み出そうとする行いは無価値であるとは言わない。意味があるかどうかはともかくとして、主観的にいえば十分に価値のあることだと思う。  個人的には、大抵の人間は人生の中に大きな目標を打ち立てて(政治的あるいは宗教的な活動目標の達成であることもあれば、

          【ソシオニクス】機能の次元の質問と個人的な回答例 Ne・Ni編

          【ソシオニクス】機能の次元の質問と個人的な回答例 Se・Si編

          Se 1: 他者に圧力をかけることはできますか?もしそうする場合、あなたはどうやって圧力をかけていますか?  相手のためを思う場合は、締め切りまでの時間を示したり、行動を起こさないことで発生するデメリットを提示するなどしてプレッシャーをかける場合はあるが、この能力は人並み程度かそれ以下のものと思われる。  基本的には人に物事を起こさせるよりは自分自身で物事を処理する方を好む(体力的もしくは時間的に過度な負担になるとしても)し、プレッシャーをかけることは社会的にも個人的にも

          【ソシオニクス】機能の次元の質問と個人的な回答例 Se・Si編

          【ソシオニクス】機能の次元の質問と個人的な解答例 Fe・Fi編

          Fe 1: 自分の感情を見せることは、社会的に見て許されることだと思いますか? 社会という単語への定義が曖昧なことが気になる。社会というものは私的な人間関係も含むものであると私は考えており、そういった私的な交友関係においては感情を積極的に表現することが是とされることの方が一般的かと思われる 不適切な感情表現の例として、どのようなものが考えられますか? 会社などのビジネスの空間で怒りを露わにする(怒鳴る、物を蹴飛ばしたり叩いたりする)立場の強い者が立場の弱い者への恋愛的

          【ソシオニクス】機能の次元の質問と個人的な解答例 Fe・Fi編

          【ソシオニクス】機能の次元の質問と個人的な解答例 Te・Ti編 

          Te 1: ●あなたにとって、仕事とは何ですか?  現状の生活を守るためにしなければならないもの。あるいは、より良い未来を創造するための手段。  例えば、土木業の人が橋を建設するという仕事をすることで街の人たちの生活をより便利で豊かにできるし、見た目がいい橋ならば観光資源になりその土地が他の地域の人にも愛される場所になる。また、街の人たちの生活を便利にする仕事をしたことで地方公共団体などから金銭を授受することで、愛する家族を養ったり、美味しい食事を摂ったり、旅行に出かけたり

          【ソシオニクス】機能の次元の質問と個人的な解答例 Te・Ti編 

          夢系オタクが占いに行ったらめちゃモテ主人公になって帰ってきた回

          タイトルまんま、概ね全文書き起こしです。 登場人物 暮野早子(以下🌇)  ソシャゲを中心にオタクをしている、BLやHLも嗜む系ユメジョ。妄想にリアリティを求めすぎてよく推しと破局したり推しに失恋したりしている。  働きたくなさすぎて無職歴が3年に突入しようとしている。 椿鹿さん(以下🦌)  バチバチにその人の性質を当てていく凄腕占い師さん。オタクの事情にも詳しいため、占いが気になるオタクはみんな行くべきってレベルで凄い。超オススメです。 文字起こし本文 (挨拶省略)

          夢系オタクが占いに行ったらめちゃモテ主人公になって帰ってきた回