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【物語詩】旅は道連れ 死神は情け

 おっと まだ体の中で気絶しているねぇ
 ちょいとごめんよ 鎌でへその緒を切って
 起きたかい? おっと 暴れないでよ
 あんたはまだ生まれたての幽霊なんだから

 そう幽霊 ついさっき死んじまったのさ
 だから私は来たのさ そう死神なの

 怯えなくていいだろ 私は道案内するだけ
 天国か地獄か? さぁどっちだろうね
 どちらでもなく無に帰すときもあるしさ
 セカンドライフってやつさ 死んでるけど

 えっどこにも行かない? 止めときなよ
 潔く進まないと どこにも行けなくなるよ

 納得いかないのかね ……まぁわかるよ?
 心残りとか 名残惜しいとか 皆が言うし
 でもそれ 一旦どっかに置いとかない?
 お盆とかハロウィン帰省の楽しみにしなよ

 あっそれか 転生してやり直したら!?
 そういうの流行ってるんだろ 知らんけど

 とにかく ほれ この袋に入りなさい
 先に入った奴等と喋れば 落ち着くはずさ
 今宵はあんたで最後なんだ 優しくするよ
 サンタクロースみたいに背負ってやるね

 今日も数多の命が生まれ そして死ぬ
 その繰り返しで この世は回っていく
 まるで今宵の月のようにねぇ
 さぁ 私も話に混ぜてくれ 共に往こう





もう少し、往生際の悪い奴を窘める死神の話になる予定でしたが、なんだか違う物ができました。でもそれなりに気に入っています(笑)。

ちょこっとあとがき


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