【物語詩】彼は正義のミカタ
「あーぁ 今日はガッカリしちゃった
クラス替えで同じになった三加匠くん
成績も運動神経も良くて イケメンで
他の男子みたいにバカふざけもしないし
1年のときから実は気になっていて
しかもいきなり隣の席になっちゃって
とーっても 嬉しかったのに……」
「良かったじゃん! どうして落ち込むの?
話しかけられなかったとか?」
親友に問われて黙り込む 黙秘権行使だ
言えるわけがない 彼の趣味が
──魔法少女アニメでしたなんて!!
彼は鞄にキーホルダーをつけていた
カラフルな星やら羽やらのデザインで
一見大人っぽいブランドマークだけど
どっかで見たことあると思ったんだ
確か年の離れた妹が好きな……アレ!!
思わず呟いたら彼は驚いていた
目が合って 慌てて取り繕ったら
「えっ! 君もこれが好きなの!?」
と とびきりのキラキラ笑顔……
あたしのハートはノックアウト
天にも昇る気持ちで撃沈したのでした
「元気だしなよ~ 明日はいけるって!」
親友は訳も知らずに励ましてくれるけれど
魔法少女には勝てっこないでしょう……
というか男子高生の趣味が魔法少女って
……キワドイし……
うなだれたまま1晩が過ぎ
彼と魔法少女がニコニコしている夢を見て
密かな恋心をしぼませて登校していた
すると 有名イベントが発生
サラリーマンのおじさんと曲がり角で衝突
ここで恋が始ま……らないってば!!
つーか滅茶苦茶キレられてるんですけど!
ただでさえ憂鬱なのに最悪だ……
黙って怒鳴られ耐えていたら
すっと一筋の風が隣に吹いた
「おじさん 歩きスマホしてたでしょ?」
いつの間にかそこには 彼が
「彼女ばかり叱るのはおかしいですよ」
怪物サラリーマンは渋々と退散
私よりやや前に立っていた彼は
振り向いて とびきりキラキラ笑顔
「大丈夫だった?」
──昇天も撃沈も選べない!!
彼はなかば放心しているあたしに構わず
「昨日は家でアレを観直してさ~」
と 相変わらず魔法少女をチラつかすけど
さっきの後ろ姿は
魔法少女を見守るヒーローに見えちゃって
あたしはどうやら
新しい魔法を見つけた女子高生みたいで
あとがきという名の解説
今回の物語詩は、私がかつて書き溜めたネタの供養作でございます。少しでも詩っぽくなるように設定をぼかしましたが、彼の名前だけ、目印で明記しておきます。
「みか たくみ」⇔「(題名の)ミカタ」のダジャレネーミングです(笑)。
大学生のときに考えたネタのようです。
フフフ。完成度が低いなぁ~(笑)。
ちなみに、このネタはオリジナル100%ではなく、私の好きな漫画が思いっきり影響しています!
電子手帳を持ち歩く女子高生というのも、なかなか設定が古くなってしまいましたね……。でも好きですけどね。ザ・少女漫画です♪
あ、他にも供養するかもで~す。