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【物語詩】白い部屋

 やぁ 目覚めたかい?
 君は今 白い部屋に閉じ込められている
「自由になるには 自由になるしかない」
 そんな張り紙の下の扉はびくともしない
 さぁ どうするかい?

 ある者は とにかく助けを呼ぶ
 ある者は とにかく寝て待つ
 ある者は とにかく部屋を調べる

 そうするのも一つの自由な行動だけれども
 この白い部屋を開けるためにはならない
 だって部屋から出るのが自由ではないから

 この部屋では 酸欠にはならない
 この部屋では 空腹にはならない
 この部屋では 不可能なことはない

 既に自由になる準備は整っているんだ
 あとは君がそれに気づくだけなんだ
 君を不自由にさせる白霧はくぶから脱出するだけ

 花のように咲き誇ってもいい
 鳥のように飛んだっていい
 風のように揺蕩たゆたってもいい
 月のように満ち欠けしてもいい

 さぁ 勇気を出して!
 だって白い部屋の外では時が進んでいく
 君のドッペルゲンガーが代わりに老いるよ
 ねぇ それでいいの?




あとがき

 今回は厳密には「物語詩」っぽくはないですね……。
 とりあえず「君」がどうするのかを、皆様各自で、ご自由に想像していただくことで、起承転結が完成するという仕様です(笑)。


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