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【物語詩】雲の上へ

 あれ? なんだか体がフワフワするぞ
 この妙な感じ もしかして夢の中かな?
 律儀にパジャマ姿のまま 考え込む僕

 まぁいいや せっかくだから楽しもう!
 ここは自由気ままな僕ワールドだから

 さぁ何をしよう? 何かになろうかな
 魚のように海の中を泳ぐのもいいけど
 今は鳥のように空を飛んでみようかな

 トンと柔らかい地面を軽く蹴ってみる
 僕の体は ゆっくりと宙に舞い始める

 鳥みたいにとは言ったけれど 違うな
 スーパーマンかピーターパンみたいだ
 目に見えない翼で 僕は夢を冒険する

 野を越え山を越え 街を越え谷を越え
 爽やかな風に包まれながら 僕は思う
 あぁ いつもこんな気分ならいいのに

 なんで目が覚めたら上手くいかないの?
 そう あそこの雲みたいにモヤモヤと

 いつしか僕は ある雲を目指し始める
 分厚いクッションみたいな綿雲の上へ
 そこに行けば 何かが変わる気がした

 純白の雲は 手が届きそうで届かない
 それでも僕は懸命に手を伸ばし続ける
 あともう少しというときに 暗黒の霧!

 パニック寸前の 僕の耳に凛と響く音
 聞き慣れたアラーム音が世界を変える

 ふぅ 朝か いいところだったのにな
 なんだか惜しい気持ちで夢を思い出す

 フワフワの感覚は まだ思い出せるよ
 いつか 次こそは と心に決めながら
 僕は身軽にベッドから降りるのだった


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