【哀悼詩】上島竜兵さんをしのぶ
鳥が逃げたニュースから逃げて
たどり着いた温泉の岸辺
蒸気でぼやけた瞳を澄ませると
とぼけたシルエットが向こうに居る
ばたばた ジタバタ
その影は何かを言いたいのかもしれない
いいよ言ってよと大きく返す
ばたばた ジタバタ
──言わないのかよ!
笑い声のようなさざ波が広がっていく
ひとしきり怒ったり帽子をひらりと被ったり
声がどうしても聞こえないから
チャップリンみたいじゃんってなるじゃん
いつもみたいに怒鳴ってよ!
ボコボコと感情を吸い上げた温泉と
俯いた本音から