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古くなった電気柵本体をメンテしてみた
ぬくみねっと トモです!
今回はずっと山の田んぼで使ってきた電気柵の本体まわりを改修したという話です。
電気柵とは
さて、私の本業は自然エネルギー関連の電気工事や設計などです。
どちらかというと技術畑で、蓄電池システムなどの設計と組み立てなどもいくつか扱ってきました。
ということで電気柵本体は購入するけど、電気柵の電源程度は自前でなんとかしようとします。
ちなみに電気柵とは、簡単には
〇電気柵本体 (乾電池などの電源を元に間欠的な高電圧を発生)
〇柵線(高電圧を流す、ポリエチレン等樹脂の線と金属線をより合わせた線)
〇支柱(柵線を、動物から守るエリアを囲むように固定するための支柱)
で構成されているものです。
例えば一般的な電気柵の本体は上のような形をしています。
前面パネルにはアースの端子、高電圧の端子、そして停止ー昼夜ー夜のみ の出力を切り替えるスイッチ、昼夜を判断するセンサ、そして出力状態やバッテリー状態を示すLEDランプがあります。これはどの機種でもおおよそ同じです。
下側の四角い部分には電池を格納することになります。上の機種だと単一アルカリ電池8本、電圧は1.5V x 8 =12Vという感じです。
頻繁に交換が出来る丁寧な人であれば電池での運用でも良いでしょうけど、なにせ専業でもなく、大変ものぐさな我々なので放っておけるシステムが望ましいわけです。
ということで先のシステムにもソーラーパネル付きのものがあります。
四角い部分には恐らくバッテリーと、充放電を制御する何かが仕込まれているのでしょう。
(当方では上のソーラーパネル付製品の動作については保証しませんが、ソーラーパネルなしの品は使用しているものと同等なのでまともな製品かと思います)
以前の電気柵システムはぼろぼろに
乾電池の代わりに一般的な12V鉛バッテリーとソーラーパネルを電源にすればうまくいくだろうと、手元の材料で組んでもう結構な年数使っていました。
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ソーラーパネルは研究開発のためにネット購入していたもので、12V系のフレキシブル(少し曲げることが出来る)な特殊品です。
ベンチャー企業が開発した、球状の小さなシリコン球を集めてソーラーパネルを構成しているもので、今でも「球状シリコン太陽電池」 で検索すれば出てきます。
運用開始時はちゃんと発電していたものの、写真の通りなんとなくくすんでいて多分出力も落ちているでしょう。
太陽電池を支えていた適当に作った支えも朽ちて今にも倒れそうです。
電気柵本体ですが、ご覧の通り雑草に覆われています。
冬なのでこの程度ですが、夏は大量の背の高い草に覆われてしまい昼夜のセンサに支障が出そうです。そしてバッテリー状態をLEDで確認するのも困難でした。
鉛バッテリーとコントローラは青いプラスチックのボックスに入っています。
ボックスは特に屋外用でもないので蓋に水が溜まってしまいます。
鉛バッテリーは小型車用の12Vです。以前は仕事で余った産業用のグレードの高いものを入れていましたが、運用をミスして何度かダメにしてしまいました。
コントローラはネットで1500円くらいで買える中華製のものです。
このコントローラ、実は夜間照明専用で、昼夜連続のバッテリー保護が出来ませんでした。これがバッテリー上がりのもととなってしまいました。
こんな感じのシステムですが、それでもイノシシが多発するこの山のフィールドで田んぼへの侵入を防ぐ、一定の役割を果たしてくれました。
しかし、ご覧の通り全ての面において今は頼りない状況です。
システムも適当、メンテナンスもしづらいので結果として何度もイノシシの侵入を許してしまいました。
電気柵をリフレッシュする
電気柵が有効利用できていないのは明らかですので、
シーズンオフのうちにまともに使えるように補修することにしました。
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据え置く場所を新たにして、少し草を刈りました。
もちろん放っておくと生えてはきますが、これまでよりも草刈りをしやすい場所です。
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本体を据える場所を高くするために、安い木の杭を打ちました。5~6年はもつかな。
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塗装コンパネの板をねじ止めして
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電気柵本体を載せてバインド線で縛りました。
強風でも恐らくは問題ないでしょうし、
短い雑草が生えてきてもすぐには表示は隠れないでしょう。
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すぐ横にアルミフレーム製の頑丈なシリコンソーラーパネルを載せた屋外ボックスを据えました。
これは里の畑でポンプを動かすために用意していたものですが最近は使っていませんでした。
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内部には小型車用の12Vバッテリー(続投) そして若干高級な充放電コントローラを据え付けています。
このコントローラはバッテリーが過放電で使えなくなることを防ぎつつ、効率よく安全にソーラーパネルの電力をバッテリーに充電します。
ケーブルには適当な赤黒のスピーカーケーブルを使っています。
このケーブルが屋外利用にふさわしいということではなく、赤黒に分かれていてかつ入手性も良いということだけです。
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アース棒は杭の足元に差しました。
でも草刈りの邪魔にならないように杭に線を固定したほうがよいかもしれませんね。
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ということで電気柵システムがリフレッシュされました。
発電も出力もうまくいってます。
支柱と柵線はこれから設置しますが、囲むエリアと支柱の場所についてはイノシシによって泥に線が埋められたり水たまりに電気が漏れたりしないようにルートを考えたり畦を整備したりしていきたいところです。
今回はここまで。
ご覧いただきまして有難うございました。