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陰キャがJBCC(日本ビジネススクール・ケース・コンペティション)に参加した話


陰キャの私が、グロービス経営大学院在学中にJBCC(日本ビジネススクール・ケース・コンペティション)に参加した時の話をご紹介します。
結果は予選敗退でしたが、陰キャの強みを知ることができ、本当によい経験になりましたので、ぜひ陰キャMBA生の方にはチャレンジしてみてほしいです。陰キャの方以外にも、どんな大会なのか、何が得られるのかなど、参考になればうれしいです。
現在JBCC2024の出場者のエントリーを受付中です。エントリー期限は8月2日(金) 23:59となっていますので、ご興味を持った現役MBA生の方はぜひエントリーしてみてください。

JBCCとは

JBCCは日本ビジネススクール・ケース・コンペティションの略で、全国のMBA生がチームを組んでケースに挑戦する大会です。
「日頃の学習成果を実践的に発揮する場の提供」、「国内MBA間の競争環境の創出」「ビジネススクール生の交流活性化」により「国内におけるビジネススクールの価値向上」を目的としています。
在学中しか出場できないため、グロービスでは多くの学生がチームを組んで参加をしています。
グロービスの学生数が多いため、全体的には出場者に占めるグロービス生の割合は多いですが、他のMBA校からもたくさんのチームが参加しています。

開催スケジュール・本選会場は年によって異なりますが、今年は下記のような形になっています。
詳細は公式HPに記載されています。

<2024年度開催スケジュール(予定)>
エントリー受付開始 6月15日(土)
エントリー締切 8月2日(金)23:59
予選開始・ケース発表 8月3日(土)
予選資料提出締切 9月15日(日)23:59
本選出場者発表 10月13日(日)
本選資料提出 11月9日(土)
本選(セミファイナル、グランドファイナル) 11月17日(日)

​<2024年度本選会場>
明治大学 駿河台キャンパス

どんなことをするの?

JBCCでは、2~5人のMBA生でチームを組んでエントリーします。
エントリー後に架空の企業のケースが発表され、チームでケースに沿って自分たちで色々な情報収集や分析をして、経営戦略を立てて予選のプレゼン資料を作成します。

具体的に参加をするとどういうことをするかというと、チームによって色々かとは思いますが、私のチームは下記のようなことをしました。
①チーミング
②予選に向けた準備
③ケース発表後の予選資料作成
※予選通過チームは本選に向けた資料作成・プレゼン準備

①チーミング
2~5名のチームを組んで参加するため、まずはチーミングでチームメンバーお互いのことを知ったり、チームでどこを目指すかの目標のすり合わせ、役割分担、どんなツールを使ってやり取りするかなどを決めていきます。
チームのミッション、ビジョン、バリューを考えたり、チーム名を決めたり、私を含めて地方や海外駐在のメンバーもいて毎回オンラインで打ち合わせをしていたので、オンラインのチーム背景を作成したりもしました。

私は同じ授業のクラスのメンバー同士でチームを組みましたが、参加したいけれどチームメンバーがそろわない場合は、JBCC実行委員が公式の「仲間探しコミュニティ」を作っているので、そこでメンバーを探してチームを組むこともできます。
私は陰キャなので当時は知っているメンバーで組むことができてよかったと感じましたが、卒業した今では、あえて知らない人と組むのも面白そうだなと感じます。

②予選に向けた準備
私のチームはエントリー開始よりもかなり早い段階でチームを組んだため、ケース発表までの間に過去の大会のケースを期間を決めてチームで解いて本番の進め方や分担を確認したりしました。

JBCCのHPでは、過去のケースだけでなく、グランドファイナルに出場したチームの予選資料・決勝資料、当日の動画を見ることができるので、それを見るだけでもかなり勉強になります。

JBCC実行委員主催のJBCCの説明会や、出場チームの体験談、資料作りのコツの勉強会も開催されていますので、そういったイベントに参加することで、どんなことをすればよいのかの解像度が高まります(JBCCのHPで過去の勉強会の動画も公開されています)
グロービスでは有志で過去にJBCCに出場した先輩が分析の仕方や資料の作り方のコツの勉強会を開いてくれていたりと、こちらもJBCCだけでなく、普段の授業の課題やレポート作成にも役立つ内容で勉強になりました。
私はチームメンバーで各イベントの情報を共有して、参加できる人が参加して、内容をシェアするということもしていました。

③ケース発表後の予選資料作成
ケース発表後はケースで題材になっている業界について分担をして調べて外部環境分析を行ったり、ケースの資料から内部環境を分析したりと、チームメンバーで分担をして進めていきました。各自担当した内容をオンラインの打合せで共有して、後半は具体的な経営戦略を立てていきました。
その業界で働いている方に対して、知り合いのつてでインタビューをさせていただいたりもしました。

チームによって目標が優勝なのか、予選通過なのか、参加することに意義があるなのかで活動の頻度はまちまちかと思いますが、私のチームは予選通過を目指してかなり本気で取り組んでいたので、約1か月の予選資料提出までの期間中、前半は2.3日に1回の打合せ(その間は各自分担を進める)、後半は毎日参加できる人は打合せという頻度で活動をしていました。
その間も通常のMBAの授業もあるので、授業への参加、課題の実施にも時間がかかり、睡眠時間を削って大変ではありましたが、チームみんなで取り組んでいるということもあり、アドレナリンが出ていたのか、しんどいけどやっていて楽しかったです。

陰キャの体験談

私は同じ授業のクラスのメンバーに誘ってもらって参加したのですが、実は私以外は全員陽キャで発言もキレキレのクラスの中心メンバーでした。
そんなすごいメンバーに誘ってもらえたのはうれしかったものの、このメンバーの中で役に立てるのだろうかと不安もありました。

チームを組んだ当初は敬語禁止というルールができたものの、私だけなかなか敬語が抜けなくて、しゃべったら敬語が出そうで元々1人だけ陰キャでしゃべれないのに、更にしゃべれなくなるという悪循環に笑
練習で何度も顔を合わせて、予選が始まるころにやっと敬語が抜けるくらいで、そこは苦労しました(別に仲が悪いとかでは全然なく、単に私が敬語が抜けなかっただけです笑)

議論をしていても、みんな頭がよくて瞬発力があるので、どんどん発言をする中で、私は考えるのも遅いししゃべるのも得意ではないので、何か少しでも貢献しようと、とりあえずメモを取るということをしました。
チームの中でとりあえず何かしている、役割があるということで、少しずつ居場所ができてきた感じはありました。

過去のケースで練習をしている中で、分担をして調べて共有をしていて、そこで調べるのが早い、丁寧とフィードバックをもらって少し自信がつき、とにかく自分が任された分担は頑張ろうと思いました。

予選が始まってからは、自分の分担や調べたことに関してしゃべれるようになってきて、最終的には自分でアイデアも遠慮なく発言できるようになりました。
陰キャではない人にとってはそんなこと普通かもしれませんが、全員できる陽キャメンバーの中で、大してできない陰キャがしゃべれるようになったのは、めちゃくちゃ進歩だと自分では思ってます。

チーム活動での陰キャ戦略

JBCCの陰キャ戦略というほど結果は残せていませんが、チームで活動するときに、陰キャが少数派だった場合の陰キャ戦略として、JBCCの経験から参考になればと思いご紹介です。
JBCCで陰キャの強みを活かしてチームに貢献できたということで少し自信がつき、他のグロービスのグループワーク科目でも、仕事のプロジェクトでも、基本的には初めましてで人見知りしてしゃべれない状況からスタートするものの、任された部分をしっかりと担当することで徐々に発言できるようになって、最終的にはチームにある程度貢献できるというパターンがつくれるようになりました。

【陰キャの強みを活かす】
人それぞれだと思いますが、私の経験から比較的陰キャが強い部分を活かせると思う部分をまとめました。

・発言が苦手でもメモなどを取る
・文章作成、分析などを素早く丁寧に行う
・議論がヒートアップしているときに一歩引いた視点、別の観点から冷静に意見を言う
・後半はまってくるとアイデアなどが色々出てくる
・終盤は細かい点をケアする(資料作成ルール、抜け漏れがないかなど)

陰キャ同士だとゆっくり議論が進むと思いますが、みんなのペースが速いと自分は沈黙してしまって、自己嫌悪になってしまいがちです。
ただ、議論では先に言う必要はないので焦る必要はありません。思いつかなければ無理せずメモに徹するということでいいと思います。みんな放っておいてもしゃべってくれるので、自分の考えがまとまったところで落ち着いて発言しましょう。
また、陰キャは大器晩成型というか、発言できるようになったり強みを発揮するまで結構時間がかかると思います。なので短期間の活動は苦手ですが、JBCCは予選期間が1か月はありますので、後半は十分強みが活かせると思っています。

【チーム活動での陰キャの心構え】
自分のできないことにばかり目がいって、自己嫌悪になりがちですが、誰だって最初から上手くはいきません。
こんな気持ちで活動すれば、落ち込んでも少し頑張れるのではと思います。

・自分と異なるタイプのメンバーとの活動はよい経験
・無理に陽キャにならずに自分らしく関わっていこう
・チームに1人は陰キャが必要
・自分が苦手なことは得意な人に任せてOK
・自分が得意なことを頑張る
・苦手なことも極力頑張る、慣れたらできるようになるかも
・上手くいかなくてもこの世の終わりではないので気楽に
・チャレンジしたこと自体が頑張ってる

JBCCで得られたもの

私は現役生の時にJBCCに参加して、本当に良い経験ができたと思っていますので、少しでも興味を持っている方、気になってるけどチャレンジするのは不安という陰キャのみなさんにも、ぜひ参加してもらいたいです。

【JBCCに参加することで得られたもの】
・自分の強みがわかった
・チームに貢献できたことで少し自信がついた
・1人よりもチームで取り組むことでよりよいものが出来上がると気づいた
・経営者視点で考えることができるようになった
・授業のレポートの点が上がった(JBCC前より平均0.5点程度)
・チームの絆、とにかく楽しかった

普段の授業は1人で考えてレポートを出すので、自分が持ってる実力や引き出し以上のものはなかなか出てきません。
でも、JBCCはチームで取り組むので、メンバーの自分にはない視点がたくさん得られて、協力することでそれぞれが取り組むよりもよりよいものを創り出せる。
陰キャなので、基本は1人で取り組みがちで人に頼るのも苦手ですが、JBCCに参加したことでチームで取り組むよさに気づけました。

授業では実際の企業のケースなので、ある程度正解的なものがありますが、JBCCは架空の企業のケースなので正解はありません。
自分たちが経営者として本気で考えて、これなら勝てるという戦略を生み出すのは普通の授業よりも面白いし、経営者視点で考えることが鍛えられます。みんなでうちの会社は〜なんて議論をしていました。

論理的にわかりやすく伝わりやすい資料を作成する必要があるので、レポートの書き方、資料の作り方も鍛えられます。
他のメンバーがどんな資料を作るかわかるので、自分にはないいい所を学べるのもよかったです。
JBCCだけの効果かはわかりませんが、実際授業のレポートの点数も上がりました。JBCCのケース自体は大企業でしたが、特にベンチャー科目は経営者になりきって考えたので点数よかったです。

改めて、エントリー期限は8月2日(金) 23:59となっています。たくさんの現役生がチャレンジして、よい経験ができたら嬉しいです。
エントリーはこちらから。

参加したいけどチームができていない方向けに、チームメンバーを探すイベントもエントリー期限直前まで開催されています。
初対面の方とチームを組むのもよい経験になると思います。

JBCCが陰キャMBA生のみなさんが一歩踏み出すきっかけになることを願っています。
もちろん陰キャ以外の方もぜひ挑戦してください!


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