ビッグバンの原因って何なんだろう
※上記の本を参照
※前回の続き
アウグスティヌス(354〜430年・アルジェリア出身)
信者のコンスタンティヌスがローマ帝国皇帝になり一国にて受入れられた。
人間ていうのは争う対象がなくなると、その中で争いを見つけるもの。
キリスト教組織内部で「誰の教義が正しいのか!」と派閥が別れてしまう。
アウグスティヌスは32歳までキリスト教ではなかったが、それまでいろんな宗教をふらふらと渡り歩いてきた他の宗派から学んだ教えの経験と、弁論術を学んでいたため、経験からえられた知識と説得力をもって周りの人間を説き伏せた。
彼の考え方は
「人間は欲望を抑え切れない、か弱い生き物だから神にすがっていくしかない」というもの。
その対立者としてペラギウスがいたが、
ペラギウスは
「神様はいらない禁欲すれば自制ができる」と説いた。
実際禁欲して、すごく正しい行いをして自制できていたペラギウスは周囲の人間にも「禁欲しろ!」と説き伏せるが、現代人の感覚でいっても一般的な民衆の感情に近い共感を得やすい「欲望はあるものだから仕方ないよ〜」と説いたアウグスティヌスの考えが広まった。
トマスアクティナス(1225〜1274年・イタリア出身)
ローマ帝国はキリスト教一辺倒でやってきた国だったが、12世紀を過ぎた頃古代ギリシア、知の巨人アリストテレスの著作がラテン語に翻訳されて雪崩れ込んでくる。
それによってアリストテレスの著書にはあまりに様々な世の中のことを、徹底的に論理的に説かれてあり、納得のいくことばかりだったため、キリスト教徒もそれに戸惑った。
「神様は個人なんて救わない」「全知全能の神なんていない」という内容もあった。
ただこんなことは論理的に考えればすぐわかること。
全知全能の神ならば、自分を全知全能でなくすことも可能になる。ということは、全知全能でなくなった時点で神ではなくなるから全知全能の神はいないことになる。(※全能のパラドックス)
別のわかりやすい言い方もできる。「絶対に持ち上げられない石を作ったあと、神はその石を持ち上げることができるか?」ということ。
いずれにしても「全知全能」には矛盾が生じる。
そこでキリスト教徒が混乱にある最中、このアリストテレスの哲学とキリストの神学を統一しようという人たち(ラテンアヴェロス主義)も現れたがうまくいかず。
ここでトマスアクティナスの登場。
彼は「そもそも神学と哲学は別物で理解できるレベルが違うもの」と説く。
哲学で説明できない部分を探しそれを理由にレベルの違いを証明した。
それは
「そもそもこの世の地上にある生物や存在してるものの起源はなんなのか?」という問いだった。
現代にて分かってることとして「それはビッグバンでしょ?」となるかもしれないが「じゃあビッグバンが始まったのはどこから?」と、この調子で永遠に問い詰めることができる。そんなことは人類が知る余地もない。
こういった具合に、ものの起源において人類の知識、論理性だけでは理解も認識もできないレベルがあるとのことで「神学と哲学は別物だ!」と説いた。
本日はここまで
◎今日の呟き
完全に今の僕はペラギウスですね。
1日一食で毎日が快調だしエネルギーが溢れてるので「飯食わない方がいいですよ!」と結論を言うことがあります。
もともと僕も1日2食好きなものをガッツリ食べていた口なので、2食・3食食べたい人の気持ちはわかるんですが…
反対に世論で「1日3食食べましょう!」「○○を飲めばたくさん食べてもダイエット!」みたいなアウグスティヌス系の提案が称賛されて皆が飛びつく気持ち…人間は昔も今も同じなんだなぁと思いました。
決してキリスト教がダメだって言ってるわけではございませんのであしからず。