独創的な人が仲間を作るには…
最近読んだ本からためになりそうな情報を抜粋しました。
参考になれば幸いです。
・イノベーションには「概念的イノベーション」と、「実験的イノベーション」2つの種類がある。
前者は大胆なアイデアを思い描きそれを実行に移すタイプ。
後者は試行錯誤を繰り返し、問題解決しながら学び、進化を遂げていく。計画を立てず進めながら模索するタイプ。
・アブラハムマズローの言葉に「ハンマーを持つ人は全てのものが釘に見える」とあるように、概念的イノベーションタイプの人間の場合は早くに発見した成功に囚われ、その先を進展させにくくなる。
実験的イノベーションの場合は必要な知識とスキルの蓄積に何年もかかるが、オリジナリティの源泉として長続きする。実験というのは、あくなき探究心を持ち、常に何かをいじり、目にも止まらぬ速さで駆けていくうさぎにもひるまない、熱心なカメのような人にとってはきっとワクワクするものだろう。
・ゴルディロックスの理論で仲間をつくる。チームを率いる長同士で仲良くしようとした場合、リーダーである以上どうしても熱意をもっているもの。主張が激しい者同士の同盟はそのままでは上手くいかない。リーダーシップは、すでに仲間であるメンバーへ発揮するのは良いが、組織同士で同盟を組むのなら本来の主張をやわらげ、なるべく冷静に接する方がうまくいく。
精神科医のジークムントフロイトが言うには「非常に似通っている者同士のわずかな違いこそが、互いの間に違和感や敵意といった感情を生み出す原因になっている」とのこと。同じ価値観を持つグループと協力するときは手段(例えば歌を歌うとき、一緒に大声で歌うなど。)が共通していることが重要。
・戦略コンサルタントのサイモンネック曰く「人に影響を与えて動かしたいのなら、まずは「何故」を自分に問うべき。アイデアの背景にあるビジョンや製品を紹介する目的を伝えられれば人が群がってくる」とのこと。
これはもっともだが、現状を打破するような独創的なことをしてる場合、話は別となる。何故なら既存の概念とぶつかる恐れがあるから。オリジナルな人が成功するには「節度のある過激派」になる必要がある。
(※例えば「無線の充電器を作りたいから手伝ってくれ」とひと昔前なら不可能だと思われたことを言って回るよりも、作るために必要な技術が何なのかがわかっているのなら、最終目的は公にせず協力者が現実的な提案だと思ってくれるような目的を代替として提示する…など)。
オリジナルを作るための賛同を得るにはアイデアの過激な部分を曖昧にする必要がある。"何故"そうするのかのではなく、"どのように"それを達成するべきなのか考える。心理学者ロバートチャルディーニが言うところの「フット・イン・ザ・ドア」を使い、まず小さい要求を飲み込ませて、足掛かりを作る方法も良い。
(※ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代/アダム・グラント著 参照)