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成長を邪魔するネガティブなイメージ
※マインドセット『やればできる』の研究(キャロル・S・ドゥエック)より
クロード・スティールとジョシュア・アロンソンの研究にて
人種や性別のチェック欄に印を付けただけでも、硬直マインドセットの人間は心に染み付いたステレオタイプが呼び覚まされて試験の成績が下がる。
「自分は黒人である」「白人である」または「男である」「女である」ということを自分で意識してしまうことで苦手とされる科目の試験成績を大幅に下げてしまうことがわかった。
しなやかマインドセットの人間は自分は一生ダメだなんて決して考えない。たとえ今はダメでも努力すればきっと苦手や欠点を克服できると信じれる。
ステレオタイプ(硬直マインドセット)の見方は、相手の能力を損なうだけではなく、
「ここは自分のいるべき場所ではない」という疎外感で人を潰してしまう。
女性と男性のマインドセットの違いについて。
女性は基本的に小さい頃から暴言で傷つけられたり馬鹿にされることは少ない
基本的に「かわいい、かわいい」と言われて育つ。
男性の場合は友達、仲間内で「バカ」や「アホ」などの暴言は日常茶飯事。
この場合、単純に考えて男性の場合は
そういった日常での言葉を間に受けていたら精神がもたないし、
そもそもその言葉に慣れてしまう為、周りからの言葉に左右されにくくなる。
一方女性はそういったメンタルを育む間も無く、本当の実力を測られる時(受験や社会人になって1年目など)になって
シビアな言葉(暴言や誹謗中傷)を言われると「本当にそうなのかもしれない」と真に受けやすくなる。
メンヘラに美人が多いのが頷ける話でもある。
さらにこの本には例え話として
成功の頂点を極めた女性としてフランシス・コンリー(世界的な脳神経外科医)がある手術中に男性スタッフから「ハニー」と呼ばれただけで
「ハニーだなんて、しかもこんな場で。私は執刀医としての技量を認められているのだろうか」
と言葉に詰まって考え込んだとある。
本人にとっては自信を揺さぶられるような言葉だったのだろうが、私はこれを読んで笑ってしまった。
日頃から私たちは「一般的に女性は〜」「男性は〜」「B型は〜」「欲を抑えられないタイプだから〜」などと
本当は単に「一般的な傾向としてそう見られる」というだけの情報に洗脳されやすい環境にあると思う。
TVなどは特に影響されやすいメディアだ。
そういったものからの洗脳は本人の成長したい(例えば太っている人なら痩せたいなど)という気持ちを「どうせ私は○○だから」抑え込んでしまう
ひとところに集まった集団の意識というのはバカにならない。
何の本に書かれてあったか忘れてしまったが、一つのクラスの小学生みんなに「ショベルカーを書いてください」と伝えたところ、
示し合わせたわけでもないのに隣の席の子と似たような構図の絵を書いた子が散見されたらしい。
歴史には「魔女狩り」なるものもあるように、昔から理解できる範囲の外にいる相手を怖がる性質がある。
そこから読み取れるように、人間はよくわからない行動をとる相手に対してはわかりやすく
「あいつは○○人だから」であったり
「女性だから」「男性だから」といった枠に入れて、自分の知りえるタイプの枠組みにグループ分けして自身を納得させる。
だが一度そのよくわからない行動をとる奴がさらにその枠組みから外れようとすると自身が安心できない為
(ホメオスタシス/現状維持の本能が働く)
「お前は○○な奴なんだからそういうことはやめておいた方がいい」
などと、相手の人生に責任は負わない癖にあたかも『相手を心配あげてる』かのように意見を押し付けてくる
これは実際の私の体験談だ
ある意味可愛がられていたのだろう
自衛官の頃はこういう外野の声に縛りつけられて身動きが取れなくなっている自分が嫌だったことも退職した理由だ
(そもそも「自衛官ならこうあるべき」という縛りつけがそもそも性に合わなかった)
世間に知れ渡っている「一般的な傾向」という概念は
未知なるものに遭遇した時に自分をある程度安心させる為の
精神的な緩衝材になってくれるが
緩衝材の役目を終えたあとはありのままの現実を直視する必要がある
その上で現実を受け止め、あとは周りに流されず
「成長できる」と信じて登るだけ。
でないと硬直マインドセットをもってして
相手も自分も
今までの経験の中でしか想像できない「限界」という檻の中に閉じ込めてしまうことになる。
これは私自身にも常に言い聞かせるべき言葉だと思っている