2021.09.25 根室本線
この年の紅葉は少し気が早いようだ。各地からの報告を見るに、例年よりも5日から1週間程度早いシーズンインとなりそうな予感。休みも重なったのをいいことに、久しぶりの道内遠征を決行。札幌から夜中の日勝峠を超え、地獄の深夜ドライブをすること6時間。遥か道東の太平洋から、見事な朝日が顔を見せ始めた。
大勝利である。真っ先に向かった馬主来俯瞰。水平線から朝日が見える絶好の天気だけあって、すでに山の上からは三脚の影が伸びていた。ヌケも抜群、見渡す限りの青空。結果はご覧の通り。朱に染まった朝日に続いて、リバイバルのツートンカラーに塗られたキハ40も登場。根室線のキハ40も来春での撤退が決まっているだけに、これは大きい。舞台と役者が完璧に整った。
馬主来俯瞰は、右側を見ると沼越しに鉄路が見通せる。紅葉はまだ早いが、夏の気配も感じない、絶妙な季節感である。この角度で撮ると、ツートンカラーのキハ40がとても映える。晴天に恵まれるのはとても良いことだ……。
続いて向かったのは十勝川から利別川まで見通せる展望台。十勝平野の広さを肌で感じることができる。狙うはキハ283系特急おおぞら。こちらも来春での引退が決まっている。おおぞら1号と4号はいずれも283系が充当され、かつ利別駅で離合するダイヤ。この場所から撮り下ろすことができる。もう1か月早ければ利別駅にも日が当たるらしいが、こればかりは仕方ない。十勝川を渡り、駅で離合し、利別川を渡る姿を一連で写真に収めた。
あまりにも天気が良いので、特急おおぞらの後に来る普通列車も撮ることにした。画面奥の帯広方面に向かう列車は、タラコと北海道色の2連。ケツ撃ちにはなるが、手前でシャッターを切る。幕別で離合し、戻ってきた池田方面列車は北海道色の2連。背景の山並みまで映る景色はなかなか撮れるものではないだろう。まもなく活躍を終えるキハ40の姿をじっくりと見送った。
午後はロケハンをし続けていたが成果は芳しくなく、夕方になって十勝が丘展望台に登ることにした。景色は満点だが、案外鉄路は見通せない。じっくりと光景を見渡すと、写真の右下にある鳥居の前に踏切と線路を見つけた。夕焼けに染まる様を切り取りたかったが、うまいこと車両には日が当たらない。とりあえず貨物列車とキハ40を抑え、特急おおぞらを待ったものの、太陽は完全にログアウトしてゲームセット。少し時期が遅すぎた。